「宙づり国会」って何? 少数与党で政権運営 野党の協力がカギ
11日召集された特別国会では、石破茂首相(自民党総裁)が第103代首相に選出され、第2次石破内閣が発足することになりました。しかし、自民党と公明党の連立与党は衆院で過半数を確保しておらず、「ハングパーラメント」とも呼ばれます。Q&A形式でハングパーラメントについて解説します。【影山哲也】 Q 「ハングパーラメント」って言葉を最近聞くけど、どういう意味? A 国会でどの勢力も過半数の議席を獲得できない状態を指します。日本語に訳すと「宙ぶらりんの議会」「宙づり議会」を意味します。議席数の多い第1党を中心に「少数与党」で政権を運営するか、他党と連立政権を組むことになり、不安定になることが多いです。 Q 日本もハングパーラメントになったの? A 10月27日の衆院選で石破茂首相が率いる自民党が敗北し、過半数の233議席を下回る191議席にとどまりました。連立を組む公明党の24議席を合わせても計215議席で過半数に届きませんでした。一方、最大野党の立憲民主党が50議席増の148議席と躍進するなどし、本格的なハングパーラメントが出現しました。1993年の衆院選で自民党が過半数割れして以来、31年ぶりの事態です。 Q 海外でも例はあるのかな? A 英国では戦後3回、ハングパーラメントを経験しました。最近では2017年の総選挙(下院)で第1党の保守党が過半数を割り込み、北アイルランドの地域政党・民主統一党の閣外協力を得て政権を維持しました。10年の総選挙では、第1党となった保守党が第3党の自由民主党と戦後初の連立政権を発足。オーストラリアも10年の総選挙で与野党がいずれも過半数に届かないハングパーラメントになりました。 Q 石破さんは今後どうなるの? A 11日召集された特別国会での衆院の首相指名選挙では、1回目の投票で過半数を得た議員がおらず、上位2人の決選投票で石破氏が立憲の野田佳彦氏を上回り、首相に指名されました。石破首相は、政策ごとに国民民主党など野党の一部から協力を取り付ける「部分連合」で法案を成立させるなどして政権維持を図るとみられます。