敗れた張本美和が証言「別人のように強かった…」オリンピアンを次々撃破、女子卓球“20歳の新星”大藤沙月はなぜ躍進? 平野美宇、伊藤美誠にも勝利
同世代には木原美悠、長﨑美柚ら
気持ちに加え、プレースタイルも変化を志した。パリ五輪代表選考対象の最後の大会だった全日本選手権後、大藤は守りから攻め主体へとスタイルを変えたという。変えるのはリスクを伴う。それでも踏み切ったのは、より強くなりたいという思いがあったからだろう。 アジア選手権選考会に臨む気持ちにも、その一端がうかがえる。 「同世代の木原(美悠)選手や長﨑(美柚)選手が世界選手権に出ているのを見て、『自分も絶対に行きたい』という気持ちがありました」 長﨑は2歳上、木原は同年生まれ。小さな頃から切磋琢磨してきた選手たちはときに壁となり、そして先行して大きな舞台へと進んでいった。それを目にしていく中で、「自分も」という強い気持ちがきっと出てきた。選考会で勝てた原動力であり、それがシーズン全体にもつながっている。
敗れた張本美和の証言「別人のように強かった」
チャンピオンズモンペリエの決勝で敗れた張本の言葉もある意味象徴的だ。 「前回対戦したときは私が勝っていたのですが、今日の彼女は別人のように強かったです」 大藤は台に近い前陣だけでなく中陣でもプレーでき、両ハンドドライブには威力がある。また1人、個性を持った選手が台頭してきたことを意味する。そしてそれは、日本女子卓球界の層の厚さをあらためて思わせる。 シーズンの躍進を示すように、11月には「WTTファイナルズ福岡」に初めて出場する。出られるのはシングルスが世界ランキング16位以内、ダブルスは上位8組に限られる大会だ。ここにシングルス、ダブルス双方で出場する。 躍進のシーズンのままに、ここでも存在感を示すことができるか。そのプレーも注目される。
(「オリンピックへの道」松原孝臣 = 文)
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