敗れた張本美和が証言「別人のように強かった…」オリンピアンを次々撃破、女子卓球“20歳の新星”大藤沙月はなぜ躍進? 平野美宇、伊藤美誠にも勝利
大きな成果を成し遂げた。 10月22日から27日にかけて行われた卓球のWTTチャンピオンズモンペリエ(フランス)で大藤沙月が優勝した。 【写真】張本美和(16歳)と大藤沙月(20歳)が国際大会で激突!その時の表情は…? 張本美和に“8つ上のお姉さん組”が近づき…笑顔でハグした名場面!50年ぶり中国撃破の実際の試合写真などこの記事の写真を見る。 チャンピオンズは世界ランキング上位30名+2名が出場できる大会で、大藤は初出場。初戦で快勝すると、2回戦で平野美宇、準々決勝で伊藤美誠、準決勝で鄭怡静(大会時点で世界ランキング10位)を次々と撃破。決勝では張本美和と対戦し4-2で勝利した。オリンピックや世界選手権で活躍してきた日本の選手たち3人を破り、初優勝を遂げたのである。 「ほんとうに信じられないです」 試合後にコメントした大藤は、こうも語っている。 「何よりもまず、WTTチャンピオンズに出場できることがうれしかったです。最低でも1勝、そしてもう1勝、さらにもう1勝したいと思いながらここに来ました」
世界ランキングは“日本勢4番手”
この大会のみ、たまたまの活躍、というわけではないのは今年になってからの成績が物語っている。 今年4月、WTTの下位カテゴリーの大会であるフィーダーバラジュディン、フィーダーデュッセルドルフでともに優勝を飾ると、6月のコンテンダーチュニスでは張本に敗れたものの準優勝。8月のコンテンダーリマ、9月のフィーダーパナギュリシテで優勝と着実に実績を積み上げてきた。 シングルスに限らず横井咲桜とのダブルスでも活躍。6月のコンテンダーザグレブでは準々決勝でパリ五輪代表の平野・張本に勝利するなどして優勝。そしてアジア選手権では金メダルを獲得した。 今年4月9日付けでは125位だった世界ランキングは、10月29日付けでシングルスにおいては早田ひな、張本、伊藤に次ぐ日本勢4番手となる11位にまで上がり、女子ダブルスでは日本勢トップの5位につけている。
高校卒業後に成績が急上昇…そのワケは?
「ブレイク」と言ってもいいシーズンを過ごしている大藤は現在20歳。幼少期、コーチをしていた父の影響で卓球を始め、年代別の全国大会で活躍。15歳で出場した2019年全日本選手権の女子ダブルスでは芝田沙季とのペアで準優勝を果たしている。 小学校を卒業すると卓球の名門である四天王寺中学校に進学。2018年には中学2年生で世界ジュニア選手権日本代表に選ばれ、中学3年生になった2019年には全日本選手権女子ダブルス準優勝を成し遂げた。 高校進学後は、新型コロナウイルスにより国内外の大会が相次いで中止となり、またインターハイのシングルスでは一度も優勝できないなどやや停滞した感もあったが、社会人となった2023年以降、再び上昇気流に乗る。パリ五輪代表選考会の東京大会と大阪大会ではともに早田に敗れたが東京で準決勝進出、大阪で準々決勝に進出している。 迎えた今シーズンの充実は、6月のアジア選手権代表選考会での優勝にも表れている。変化の要因を大藤はこう話している。 「この2カ月くらいで、自分の気持ちがポジティブになりました。コーチが坂本(竜介)コーチに代わって、試合でも気持ちの部分で相手に勝てていたと思うので、そこがすごく変わった部分だと思います」
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