SNSで子供も性被害に 三重・松阪の第四小児童 利用時の対策など学ぶ
性教育講師の中谷さん招く
三重県松阪市鎌田町の市立第四小学校(中西明美校長、444人)は25日午前9時35分から、元養護教諭で性教育講師の中谷奈央子さん(41)=度会郡大紀町=を招いて、性について学ぶ授業「いのちと体と心の学習」を開き、5、6年生計133人がSNSを介した性被害対策について学んだ。 小さい頃から性について正しく学び、性被害に遭わないよう知識を身に付ける目的で初めて開き、18日には3、4年生が授業を受けた。今後は毎年実施する予定。 中谷さんは公立高校などの養護教諭を経て、現在は性教育講師・思春期保健相談士として県内を中心に講演活動を行う。市内では同鎌田中学校でも講演をした。 この日はまず、思春期は体と心が大人に近づく時期であり、性への関心が高まることを解説。中谷さんは「関心があるのは自然で、おかしなことではない。でも、いわゆる下ネタは嫌がる人もいるので、場所や相手をきちんと考えて」と話した。 SNSを利用する際の注意点として「(有害なウェブサイトへのアクセスを制限する)フィルタリングなど安全のためのルールを確認して、いろいろなことを考えながら情報を見分ける力を身に付けて」とアドバイス。 また昨年、SNSをきっかけに性被害に遭った子供の数が小学生139人、中学生は748人と急増していることも紹介。被害に遭わないために▶「嫌」とはっきり意思表示▶逃げる▶信頼できる大人に相談する─―の3カ条をまとめた「NO・GO・TELL」を伝えた。 中谷さんは「被害に遭った人は悪くない。悪いのはルールを破った人」と強調し「皆を守りたいと思っている大人は周りにたくさんいる。目には見えないけれど、心はとても大切。(性)暴力を受けていい人は一人もいない」と呼び掛けた。 6年・平林夢加さんは「知らないことが半分以上あった。相手のことを考えて行動すること。『NO・GO・TELL』が印象に残った」、同・土井絃弥君は「子供も性犯罪に遭っていること、自分たちのことを思ってくれている大人がいることを知りました」とそれぞれ話した。