台湾危機に備えて、今すぐ日本が採るべき「四つの方策」とは――国際政治学者が考えた「納得の提言」
4.無用な挑発を避ける
第四に、中国を挑発することは避けるべきだ。高坂正堯先生も言われたとおり、中国との衝突の回避は極めて重要である。ウイグルなどへの中国の人権弾圧には抗議して対処を求め、尖閣諸島でも南シナ海でも日本の主張について譲歩はしないが、無用の挑発はなるべく避けるべきだ。 ※本記事は、北岡伸一『覇権なき時代の世界地図』(新潮選書)に基づいて作成したものです。
北岡伸一(きたおか・しんいち) 1948年、奈良県生まれ。東京大学名誉教授。国際協力機構(JICA)特別顧問。東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。立教大学教授、東京大学教授、国連大使(国連代表部次席代表)、国際大学学長、JICA理事長等を歴任。2011年、紫綬褒章受章。著書に『清沢洌 日米関係への洞察』(サントリー学芸賞受賞)、『日米関係のリアリズム』(読売論壇賞受賞)、『自民党 政権党の38年』(吉野作造賞受賞)、『国連の政治力学 日本はどこにいるのか』『外交的思考』『世界地図を読み直す 協力と均衡の地政学』『明治維新の意味』など。 デイリー新潮編集部
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