日本初の内臓脂肪減少薬「アライ」発売、16年を費やし有効性・安全性を担保「ここまでエビデンスを揃えたのは『アライ』以外にないと自負」
■地域の薬局、医師、メーカーが三位一体となって取り組む”地域包括のヘルスケア”
期待を寄せられるのが、購入者に対し直接対応にあたる薬局・ドラッグストアの対応だ。医療用医薬品の痩身を目的とした適用外使用が問題となるなかで、いかに適正な販売環境を作るのか。同社は薬剤師による対面の販売を行うにあたり、日本肥満学会が監修した専用のeラーニング研修システムを立ち上げている。これを修了した薬剤師のみが販売に従事することができ、流通に関しても適正販売への了承が得られた企業のみに出荷。卸は介さず、同社が直販するものとしている。「4日時点で、2.6万人を超える薬剤師の研修が終了しています。今後発売されても、薬剤師がいるお近くのドラッグストアで、不自由なくお買い求めいただけるのではないかと思います」(藤田氏)。 販売後は有効性・安全性を確かめる3000例の調査を行い、不適切使用例の把握、必要に応じた是正措置、厚労省への報告を8年間実施。適正な販売環境、使用環境作りに努めていくとしている。 同社では、発毛剤『リアップ』のミノキシジルに加えて2例目のダイレクトOTC医薬品となる。宍戸氏は『アライ』が果たす役割について次のように述べている。 「我々製薬会社としては、とても社会的に意義のある製品です。自分の健康を自分で守る、セルフメディケーションを皆さんにしていただきたいので、今回『アライ』をダイレクトOTCとしてチャレンジしています。つまりは、地域の薬剤師さん(かかりつけ薬局)、ドクター、我々メーカーの三位一体で地域包括のヘルスケアに取り組めるということです。これは日本にとってもひじょうに意義のあること。地域医療の活性化にチャレンジしていきたい」 やらなければと分かっていても、生活習慣改善の持続に課題感があるなかで、いかに健康リスクを放置せず、地域や社会を巻き込み健康寿命の延伸につなげることができるのか。同社が取り組むセルフメディケーションの環境づくりに注視したい。