後先考えず戦う 天理・内山主将が見据える「次」 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第9日の29日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準々決勝が行われ、春夏計3回優勝の天理(奈良)が2年連続14回目出場の仙台育英(宮城)を10-3で破り、優勝した第69回大会(1997年)以来24年ぶりの4強入りを決めた。 【天理vs仙台育英の試合を写真特集で】 ◇天理・内山陽斗主将 今までは達(孝太投手)に頼るゲームが多かったが、きょうは達の調子が悪いのはわかっていて、野手で頑張ろうと話していた。その通りになってよかった。 冬に(バットを)振り込んできたのがよかった。(優勝したとき以来の準決勝となるが)後先考えず、次のゲームに勝つことを第一に考えて、チーム一つとなって戦いたい。 (相手2番手の)伊藤(樹=たつき)投手は真っすぐに力がある。マシンを150キロ超えるか超えないかくらいに設定してコンパクトに打ち返す練習をし、振りまけないよう対策した。試合中もそういう意識だった。 (四回の2点二塁打は)監督からストレートをしっかり打ち返せと言われていた。いつも通り振ることを意識して真っすぐを待っていて、なにも考えずに打った。 調子の悪い達には、一言「頼むぞ」と、守備につくときに声を掛けた。達がしっかり立て直してくれることを信じていた。 (今大会は)ゲーム前に監督から「送りバントは達にしか出さない」と言われた。(相手は)いいピッチャーだから打って打ってプレッシャーをかけていこうと。ゲームはその通りにいった。 ◇「ベスト4、驚いている」中村良二監督 (久しぶりのベスト4は)本当にうれしいの一言。大会前に「ベスト4に行ってくれたらなあ」と選手と話をしていたので、本当に驚いている。競った試合でミスした方が負けるのかなという展開だったが、四回の相手ミスにうまくつけ込めた。これがすごく効いたんだなと思う。 達(孝太投手)は三回に追いつかれた時は、正直どうなるかと思っていた。2回戦もそんなに良くなかったが、今日はそれ以上に良くなかった。こういう経験して選手は伸びる。これを良い方向に捉えて次の登板に備えてほしい。 相手の先発予想は伊藤(樹=たつき)投手だったが、打撃練習で大体150~160キロのマシンを打ち込んでいるので、そのスピード感に慣れておけば少しは対応できると思っていた。(3試合連続複数安打の)政所(蒼太選手)はラッキーボーイ的な存在になってくれている。ただキャッチャーフライやワイルドピッチだとか、しっかり(捕手として)できる部分はやらないとなという反省を含めた試合だった。 打線は選手たち自身が作り上げた部分が多い。甲子園まで来たら、今までやってきたことを精いっぱい出してほしい。この3試合はその結果が良い方に転んでいると思う。 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。