原油先物が底堅い、米在庫減やウクライナのロシア製油所攻撃が下支え
(ブルームバーグ): 原油相場がアジア時間14日の取引で底堅く推移。米原油在庫の減少に加え、ロシアの製油所を標的としたウクライナによる断続的な攻撃を背景に、需給の引き締まり観測が強まった米国市場の流れを引き継いでいる。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は1バレル=80ドルをやや下回る水準で取引されている。前日は2.8%高で米国時間の取引を終えた。北海ブレント原油先物は84ドル近辺で底堅く推移。前日には終値ベースで4カ月強ぶりの高値を付けた。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間統計によると、原油在庫は7週間ぶりに減少。主要な原油貯蔵拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫も減少した。
ウクライナはロシアの製油所を標的にしたドローン攻撃を続けており、地政学的な緊張が高まっている。13日にはモスクワ近郊にある国営石油会社ロスネフチの製油所が攻撃されて炎上した。
一方、原油相場は年初から上昇基調にあるものの、値幅は限定的となっている。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟の産油国で構成されるOPECプラスが供給を抑制している半面、OPECプラス以外の産油国による増産や、中国からの需要鈍化懸念が相場の重しとなっている。
14日に国際エネルギー機関(IEA)が発表する月報は、市場動向を探る上で手掛かりとなりそうだ。
原題:Oil Holds Biggest Gain in Five Weeks After US Stockpiles Decline(抜粋)
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Yongchang Chin, Elizabeth Low