「元ファンモンと言われるのがツラかった」45歳のファンキー加藤が、衰えもさらけ出しながら走り続ける理由
俺はこんなモンじゃない、まだ出来るはずだーー。 ソロデビュー10周年を迎えたファンキー加藤は、ファンに想いや言葉を届けるために、ただ前を向いて走り続けている。若さだけで乗り切ることはできなくなった45歳という年齢、メジャーに躍り出るきっかけとなった「FUNKY MONKEY BABYS」の看板の重さと向き合いながら、創作とライブに挑み続けているファンキー加藤。自選歌詞とモノローグで記した『未完声』(徳間書店)するなど、節目を迎えた彼の独占インタビューをお送りする。 【写真】45歳になったファンキー加藤
踏ん張り続けた10年
──『未完声』という加藤さんセレクトによる26曲の歌詞と、ソロ活動10年の軌跡を自身の言葉で語る本を出しました。 最初、出版の話をいただいた時、俺なんかのことが一冊の本になるのか、そもそも売れるのかという不安が大きくて、自分の中で懐疑的な部分がありました。でも、今年はソロ活動10年という節目の記念でもあるし、もともと本を読むのは好きで、よくSNSにも載せたりしてますが、自宅の作業部屋の壁一面は本棚になっているんですよ。よく見れば、プロレス・格闘技本がほとんどだったりするんですけど(笑)。ファンキー加藤の本が出来た暁にはその本棚に飾りたいという思いもあり、受けさせていただきました。 ──本書の冒頭に「振り返れば様々な出来事に耐え忍んできた10年だった」とあります。思い通りにやれていると思っていたので意外でした。 意外ですか? いやいや、全然そんなことなかったですよ。FUNKY MONKEY BABYS (以下ファンモン)時代は上り調子で、勢いのまま突っ走り続けて東京ドームという大きな会場での解散ライブで最後のゴールを切る事もできた。やり遂げたなっていう思いでした。 でも、そこからソロになったら、ファンモンという過去の栄光が逆に重圧になったんです。ソロになって最初の夏フェスの時なんて、ステージの途中で立っていられなくなって、へたり込んでしまったこともあったくらい。夏フェスってファンモン時代の俺にとっては「勝ち抜いてきた場所」だったはずなのに、自分のイメージと全然違う納得のいかないステージになってしまった。一歩目から躓いてしまう感じでしたね。 あと、これは時代の変化もあるかもしれないけど、CDの売り上げもファンモン時代に比べて目に見えて落ちていったのも精神的にこたえました。文字通り、なんとか踏ん張り続けた10年だったんですよ。