大地真央「舞台生活50年、辛い時もあった。『マイ・フェア・レディ』は、週11公演。でも、お客様の明日への活力源になりたい」
現在発売中の『婦人公論』2024年2月号の表紙は、女優の大地真央さん。芸能生活50周年を迎えた大地さん。宝塚時代からコメディが大好きだという大地さん。その理由は、大地さんの目指す劇場空間にあるそうで……。発売中の本誌から、特別に記事を先行公開いたします。(撮影=浅井佳代子 構成=篠藤ゆり) 【写真】明るい未来を見上げるようなまなざし * * * * * * * ◆芸能生活50周年をむかえ 2023年の11~12月に、芸能生活50周年のコンサートを開催しました。正直、最初は50年という数字にピンと来ず、「そうか、そうよね」という感じ(笑)。 でも、素晴らしいゲストの方々が「お祝いなんだから行くよ」と駆けつけてくださり、客席では涙を流していらっしゃるお客様もいて。改めて50年の重みを実感しました。 50年の間には、舞台に立つのが肉体的につらかった時期もあります。『マイ・フェア・レディ』は、週に11公演。 開演前に具合が悪くなり、楽屋で点滴を打って「大丈夫、行きます」と立ち上がった途端、倒れたことも。でも、休演は一切、考えませんでした。
◆明日への活力源になりたい この仕事は繊細さと大胆さの両方が必要ですし、体力も精神力も求められます。舞台に立つ人間が楽をしていたら、お客様に感動していただけない。身を粉にしている自覚もありますが(笑)、温かい拍手とお客様の笑顔で疲れも吹き飛んでしまう感覚です。面白い職業ですよね。 舞台に対する思いは、お芝居を始めた頃と変わっていません。根底にあるのは、劇場に足をお運びくださったお客様の明日への活力源になりたいということ。 私は宝塚時代からコメディが大好きで。どんなに二枚目の役でも、クスッと笑える人間臭い部分ってあると思うんです。その一面を引っ張り出すように役作りをしてきました。 笑うと泣けるし、泣けるとまた笑える。それが私の目指す、人の心の豊かさを共有できる劇場空間です。
◆自分というライバルを超える思いで 次の仕事が決まるたび、「ひとつ前の作品を超えよう!」と思います。 たとえば、50周年コンサートのライバルは、その直前までやっていた舞台『最高のオバハン中島ハルコ』。 もちろん比べるものではありませんが、自分ができる100%、いえ120%を目指すのが誠意ですし、舞台の神様はきっと見ている。 2024年も自分というライバルを超える思いで、目の前の仕事に真摯に取り組むつもりです。 (構成=篠藤ゆり、撮影=浅井佳代子)
大地真央