「ぐちゃぐちゃや…どうしよう」電気も水もなく『旬の牡蠣』出荷できない…別の漁港でも「壊滅的。果たして元通りに…」漁業への被害深刻【能登半島地震】
能登半島地震による漁業への影響が深刻です。 【連続写真で見る】海が後退している…輪島市門前町の海岸の様子『去年9月』と『今年1月16日』を比較
1日遅れの1月5日からセリが開始された富山県の氷見漁港では、16日朝も今が旬の寒ブリなどが取り引きされていました。漁協関係者によりますと、被災して使えなくなった近隣の港から魚が持ち込まれることもあるといいます。 一方でまだ復旧がままならない漁港も多くあります。1月10日に取材した石川県志賀町の赤崎漁港では、再開の見通しが全く立っていないといいます。 (赤崎漁港・元漁協組合長 木村豊男さん(80))「ここはもう壊滅的やね。年々漁業も廃れて若い人もいないし、そんな中で果たして元通りに…。どのくらいの金額で修復できるかってのは、ちょっと私にはわかりませんね」 2月に旬を迎える「能登かき」も…。 (カキの養殖・販売を行う河端譲さん)「ぐちゃぐちゃや。どうしよう。うちは今、電気もきていないですし、水道も止まっていますし。カキを揚げてきたとしても掃除する手段がないんですよね」 本来なら1月2日から出荷作業を始める予定でしたが、12日の段階で水も電気も通っておらず、出荷できない状態が続いているといいます。
(カキの養殖・販売を行う河端譲さん)「かき棚が揺さぶられて落ちたんじゃないかなという懸念はあります。せめて電気がきてくれれば心にもう少し余裕ができるんですが、今は生活で手一杯ですね」 漁業への影響は揺れによる直接的な被害だけではありません。石川県輪島市門前町の海岸の様子を去年9月と比べると、かなり海が後退しています。原因は地面がせり上がる「隆起」です。2010年4月に撮影された輪島市の海岸線の画像と、地震後の1月2日に撮影した画像とを見比べると、海だった場所がせり上がり陸になっています。
同様の現象は能登半島の各地で起こっています。国土地理院によりますと、石川県・能登半島の日本海沿岸で約80kmにわたって隆起が確認されたということです。最大の隆起が確認された輪島市門前町の鹿磯漁港では、陸が約4mせり上がったことにより、港として使用できない状態になっています。