[ウインターカップ]福岡大附大濠のカギを握る2年生PG・榎木璃旺「片峯先生を超えたい」[高校バスケ]
「片峯先生を超える」気持ちでゲームメイクを勉強
榎木が2年生となり、経験豊富な渡邉伶音や高田将吾、湧川裕斗が3年生になった今年の福岡大附大濠。同じ2年生の勝又絆もスタメンに抜擢されて欠かせない存在へと成長し、春から“高校3冠”という高い目標を追い求めてきた。インターハイは美濃加茂に敗れて3位に終わり、当初の目標はかなえられなかったものの、秋のU18日清食品トップリーグでは優勝。チームは上り調子にあるといえるだろう。 榎木はその過程で、「ガードとしてどうやってチームを勝たせるか、どういうガードに成長していくか」ということを、片峯聡太コーチとも話し合いながら考えてきたという。その中で、今シーズン特に意識していることがある。それは「片峯先生を超えること」だ。 片峯コーチも、選手時代は福岡大附大濠高や筑波大でポイントガードとして活躍してきた実績を持つ。指導者に転じてからもガード陣には高いレベルを要求し、それに応えるように歴代のチームも頼もしいガードたちが仲間を引っ張ってきた。榎木は言う。 「1年生のときは先生の指示を受けながらガードをやっていたのですが、『先生を超えたいな』と思って。先生から指示を出される前に、自分はこう思ってこう指示を出しました、と言えるようになりたかったので、ゲームの流れだったり組み立てだったりを、NBAや大学の試合の映像を見て自分なりに勉強してきました」 そうして主体的に学んできたことを、披露する場となるのが来る冬の大舞台。ウインターカップは3年生が主役となる大会だ、というのはよく言われることで、確かに、負ければ引退という状況の中で3年生の最後の大会に懸ける思いには並々ならぬものがある。だが、これまでの大会の歴史を見ても、下級生の活躍が勝敗の行方を左右するケースも多い。特に榎木は、ゲームメイクを司るポイントガード。取材のたびに「チームを勝たせられるガードになりたい」と何度も口にしてきた彼には、2年生ながら試合をゲームコントロールする強い覚悟と責任感がある。 榎木をはじめ、今年の高校2年生には、東山の佐藤凪や福岡第一の宮本兄弟、尽誠学園の金山颯など、能力の高いガード陣が集まっている。3年生を勝たせるためにも、各チームの2年生がどれだけ自分たちの力を発揮できるかどうかも、ウインターカップの見逃せないポイントだ。