ECBホルツマン氏、米国との政策乖離はユーロ圏のインフレ促進
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)がさらに利下げをし米国と政策が乖離(かいり)すれば、ユーロの為替レートと域内のインフレ率により強い影響を与えるリスクがあると、政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁が主張した。
「年内3回のECB利下げという当初の想定が現実になり、一方で米連邦準備制度理事会(FRB)が相応の動きをしなかった場合、為替レートやインフレ率に影響を与えることは間違いない」とホルツマン氏はオーストリア放送(ORF)とのラジオインタビューで語った。
ホルツマン氏は6日のECB初回利下げについてはまだ懸念していないと述べた。同氏は利下げ決定に唯一反対票を投じた。データ主導の決定は数字に導かれるべきだと強調した。ECBは利下げと共に、2024、25年のインフレ見通しを引き上げていた。
ECB当局者が事実上、利下げをあらかじめ約束していたことが、実際に利下げに踏み切った理由の一つだとホルツマン氏は指摘。さまざまな意見がかわされたが「政策委員会の見解は他に方法はないというものだった」という。
原題:ECB Divergence From Fed Would Fuel Inflation, Holzmann Says(抜粋)
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Marton Eder