米SEC、リップル裁判で控訴。最高裁判例や証券取引法に抵触を理由に
判決を不服とし
米国証券取引委員会(SEC)が、リップル社及びCEOのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏、共同創設者のクリス・ラーセン(Christian Larsen)氏に対する裁判の「控訴通知」を裁判所へ10月2日提出した。 SECはリップルに関する米国第2巡回区控訴裁判所の8月7日付けで出された判決を不服として控訴している。 この判決は、リップル裁判においてアナリサ・トーレス(Analisa Torres)判事が、リップルラボ(Ripple Labs)による1,278件の取引が連邦証券法違反にあたるとして、同社に約1億2,500万ドル(約183億円)の民事罰金を支払うよう命じたもの。 SECは当初20億ドルの罰金及び罰則を科すよう裁判所に求めていた。これに対しリップル社は6月13日、SECとテラフォーム・ラボ(Terraform Labs)との和解を引用し、SECの民事罰が「不当」であると主張する裁判資料を提出。同社はその中で罰金は1,000万ドルを超えるべきではないと主張していた。 その後SECは6月16日、罰金の金額を1億260万ドルに下方修正していた。 SECの広報担当者は、暗号資産メディアのザ・ブロック(The Block)に対し、リップルに関する地方裁判所の判決が、最高裁判所の数十年にわたる判例と証券取引法に抵触すると確信しているとコメントしている。 今回のSECの行動を受け、リップル社の最高法務責任者スチュアート・アルデロティ(Stuart Alderoty)氏もXにて反応。「SECが控訴するという決定は残念ではあるが、驚くことではない」とし、「このことは、すでに同機関にとって完全に恥の上塗りだ」とSECを非難した。 また裁判所がすでにに、リップル社が無謀な行動を取ったというSECの主張を退けており、詐欺の申し立てもなく、被害者や損失も出さなかったとアルデロティ氏は強調した。 また同氏はリップル社が、上訴を行うかを検討していることも明かし、「いずれにしても、SECの訴訟は当初から非合理的で誤ったものであり、私たちは控訴裁判所で再びそれを証明する準備ができており、再び業界をリードしていく」と述べている。 なおトーレス判事は昨年7月13日、「リップル社によるXRPの機関投資家向けの販売スキームは『ハウィーテスト』の条件を満たすため未登録証券募集にあたるが、個人向けに販売されるXRPは有価証券ではない」と裁定している。これは暗号資産業界にとって画期的な勝利と広くみなされている。 「ハウィーテスト」は、米国において特定の取引が、証券取引の定義の一つである「投資契約」に該当するかどうかを判定するテストである。
あたらしい経済編集部