航空石川、悔しい準優勝 北信越高校野球決勝 敦賀気比に5―6、九回に逆転許す
第151回北信越高校野球大会(北國新聞社後援)は21日、金沢市の石川県立野球場で決勝が行われ、航空石川(石川3位)が敦賀気比(福井1位)に5―6の逆転負けを喫し、惜しくも7年ぶりの秋季優勝を逃した。 航空石川は二回、8番藤本将大の適時打で先制。同点の五回に4番木下心結が勝ち越し打を放ったが、九回に2番手の蜂谷逞生が連打を浴びて逆転を許した。その裏、代打の福原悠斗、田中丈翔の適時打で1点差に詰め寄ったものの、追いつくことができなかった。 来春の第97回選抜大会の出場校を決める選考委員会は来年1月24日に開かれる。北信越地区の出場枠は2で、航空石川と敦賀気比の出場が濃厚となっている。 ●先発・長井力投実らず 「勝ちきれず力不足」 あと一歩のところで優勝がこぼれ落ちた。航空石川は少ないチャンスを生かして得点し、終盤まで1点のリードを守ったが、最終九回に5点を失って試合をひっくり返された。 八回まで強打の敦賀気比打線を被安打2、失点1に抑えた先発の長井孝誠は、九回の先頭打者に四球を与えたところで降板。「勝ちきれなかった。自分の力不足だ」と悔しがった。 長井はスライダーがさえ渡り、打たせて取る投球でアウトを積み重ねた。準決勝で完封した蜂谷の投球が刺激になったといい、「きょうは自分が投げきる」との気持ちでマウンドに上がった。 4点を追いかける九回裏、打線は意地を見せた。2死一塁から失策、四球でつなぐと、代打で出た福原、田中のタイムリーで3点を返した。しかし、一打同点のチャンスで5番吉田翔葵が捉えた打球はセンターの正面に飛び、万事休す。中村隆監督は「最後の粘りは、今後のチームの成長に大きくつながる」とうなずいた。 試合前には奥能登豪雨の犠牲者に黙とうをささげた。部員は練習の合間を縫って輪島市内で泥かきボランティアを行っており、長井は「まだ苦しんでいる方がたくさんいるので、勝つことで勇気付けることになればいい」ときっぱり。春の選抜を見据えた。 ▽決勝 敦賀気比001000005―6 航空石川010010003―5 (敦)管田、五十子―小林(航)長井、蜂谷―藤本▽三塁打 藤本(航)▽二塁打 岩崎、清水(敦)