トランプ氏「テロは脆弱な国境のせい」…バイデン大統領「石油掘削禁止」で対抗検討
ドナルド・トランプ米国次期大統領が1日(現地時間)、ニューオリンズで発生したトラックテロ事件を巡り、連日「バイデン政府の生ぬるい移民政策のため」という非難を継続している。 反面、ジョー・バイデン大統領は退任前に米国沿岸水域における石油掘削を永久的に禁止する法令を準備してトランプ氏が公約した「ボーリング拡大」公約に待ったをかける計画だと伝えられた。 トランプ氏は2日(現地時間)、自身のソーシャルメディア(SNS)に「私はバイデンの『国境開放政策』に対して集会とは異なるところで何度も言及した」とし「(それによって)想像したり信じたりするのが難しい急進イスラム勢力のテロとその他形態の暴力犯罪が米国を悪化させるだろう」というコメントを載せた。あわせて「想像よりもはるかに良くない状況になった」とし「バイデンは米国歴史上最悪の大統領であり完全な災難で、彼と彼のチンピラ集団(thugs)がやったことは忘れられないだろう」と付け加えた。 トランプ氏は前日も「これは開放された国境、弱くて非効率的で実際には存在しないリーダーシップを持つ時に起きること」としながら「米国は災難で全世界の笑いものになった」と主張した。 トランプ氏のコメントは15人の死亡者と約30人の負傷者が発生したニューオリンズのトラックテロを指しているものと解釈される。米連邦捜査局(FBI)は容疑者シャムスディン・ジャバールの犯行動機がイスリム国家(IS)に対する忠誠心と関連があるとみている。 しかし、今回の事件の原因を事実上バイデン大統領の国境政策に伴う不法移民者のせいだと攻撃しているトランプ氏の主張とは違い、FBIはこの日会見で「容疑者ジャバールは米国市民権者で2020年まで陸軍予備軍で服務していた」と明らかにした。 FBIはまた、トラックテロ直後、ラスベガスのトランプ・ホテル前で爆発したテスラ「サイバートラック」に乗っていて死亡した人物が米陸軍特殊部隊グリーンベレー(Green Beret)」所属の現役軍人マシュー・リベルスバーガーであることを確認した。あわせて「ニューオリンズとラスベガスの事件の間に確実な関連性はまだない」と明らかにした。 今回の事件が移民政策と関連がないにもかかわらず、トランプ氏が連日国境問題に言及するのはバイデン政府を攻撃すると同時に、政府発足と共に国境政策をいち早く推進するという政治的メッセージを予告したものだとみられている。 実際、APとメキシコのN+TVは「グアテマラの国境に近いメキシコ南部で数百人の移住民が北側に向かって出発した」とし「彼らはトランプ氏が就任する前に米国境界地域に到着することを目標にしている」と報じた。退任直前までトランプ氏の攻撃を受けているバイデン大統領は、トランプ氏が公約した米国内の石油開発を遮断する法令でトランプ氏の公約履行を阻む準備をしている。 ブルームバーグ通信によると、バイデン大統領はトランプ氏が就任する20日以前に一部米国沿岸水域で石油とガスの新規開発を永久的に禁止する法令の発表を準備している。該当の法令は特定水域での石油およびガス開発を永久的にできないようにすると同時に、開発禁止対象指定の撤回権限を大統領に付与しないようにしたことが確認される。 ブルームバーグはこれについて「関連行政命令が発表される場合、選挙期間石油とガス開発の大々的拡大を公約したトランプのエネルギー政策推進構想を複雑にさせることができる」と評価した。