まだまだ続く暑い日、水の中でも熱中症に注意! 汗や喉の渇き感じにくく脱水状態に
この夏は広島県内で中国地方の観測史上最高を更新するなど、記録的猛暑の恐れがある。気温や水温が高い時には水の中や水泳中でも熱中症になる危険がある。汗をかいていることや喉の渇きを感じにくいためという。熱中症に詳しい県立広島大(広島市南区)の〓文准教授(環境生理学)は「水の中こそ油断しないで」と注意を促している。 【カレンダー】中国地方5県の熱中症警戒アラート発表日 2024年7月~(随時更新) 〓准教授はそもそも、気温が35度を超えると体温調節がうまくできなくなり、熱中症になりやすくなるという。プールに入っていても「上半身など水から出ている部分が高温にさらされると、じっとしていても体温が上がりやすい」と説明。さらに泳ぐとなると、より体温が上昇して熱中症の危険度は高まる。空調の効いていない屋内のプールでは湿度が高くなりがちで、汗が蒸発しにくくなって熱が体内にこもる。 プールや海など水の中で熱中症になる主な原因は大きく二つ。口の中が水で濡れるため喉の乾きを感じにくく、水分補給が遅くなる、水中での運動は陸上と違って発汗に気付きにくく知らないうちに脱水になりやすいという。 日本スポーツ振興センターの2018年度スポーツ庁委託事業による調査では、全国の小中学校のプールで発生した熱中症は17年度までの5年間に計179件あったという。そのうち、水泳中が92件に上る。 対策としては、意識してこまめに水分補給をするのが大切という。体に必要な糖分や塩分を含むスポーツドリンクを選択すると良い。冷たい飲み物を飲んだり、氷やアイスクリームを食べたりするのもお勧めだ。体を内側から冷やすだけでなく、その後の運動でも体温の上昇を抑える効果が得られるという。さらに、プールサイドにテントを張るなどして日陰を作り、直射日光が当たらない場所で休憩することも重要だ。 【お断り】〓は「辻」のしんにょうが一点になりますが、機種依存文字(環境依存文字)のため表示できません。
中国新聞社