【有馬記念】ブローザホーン 復調リハ 吉岡師「ピークに近い」秋は不完全燃焼 得意の中山でリベンジ
「有馬記念・G1」(22日、中山) G1ウイナーが10頭そろうなか、そのうちの一頭である宝塚記念覇者ブローザホーンから復調ムードが漂っている。近2走は2桁着順に敗れるも、18日の最終リハでは菅原明を背に栗東坂路で躍動。狙いを定めていた有馬記念に向け、状態は明らかに右肩上がりの曲線を描いている。見限るのはまだ早い。グランプリダブル制覇へ、逆襲を期待する。 ひと味違う気配が漂う。ジャパンC12着からの巻き返しに燃えるブローザホーンが、菅原明を背に栗東坂路で併せ馬を敢行。今にも弾けそうな手応えをグッとこらえ、じっくり、じっくり鞍上とコンタクトを取る。ラストはスムーズに加速し、ジーティーアメリカ(2歳未勝利)と併入。4F55秒9-41秒0-12秒9をマークした。 実質的な強い最終追い切りはレース1週前の週末に行っており、当週軽めは吉岡厩舎流のいつも通りの調教だ。見守った吉岡師は「秋3戦目になりますが、ジョッキーの声は一番弾んでいましたね」とかなりの好感触。「脚の回転はシャープでしたし、いい状態です」と仕上がりに納得の表情を浮かべていた。 1番人気に支持された秋初戦の京都大賞典。強敵を打ち破った宝塚記念での圧巻の走りはファンの記憶に新しく、最重量の59キロを背負っても高い信頼を得ていた。ところがスタート直後から様子がおかしい。初手からハミを取って進んで行くタイプではないにしても、これまでの覇気が見られない。直線でも伸び切れず、まさかのしんがり負けを喫してしまった。 続くジャパンCも12着の大敗。だが指揮官は悲観していない。「前走は調教から状態は上がってきていましたが、スローの瞬発力勝負というこの馬の一番苦手な形になった。ジョッキーも『ゴールを過ぎてからなかなか止まらなかった』と言っていました」。力を出し切れず、不完全燃焼…。決して力負けではないはずだ。 もともと下半期の最大目標として暮れのグランプリに焦点を定めてきた。「使いながら調子を上げるタイプですし、ピークに近い状態」と力強く言い切る。しかも中山芝2500メートルは2戦2勝と相性抜群の舞台。「距離は問題ないですし、時計が速くても中山なら消耗戦になる。力を出し切れば」。一級品の能力は、すでに証明済み。本領発揮でリベンジマッチを制す。