JALと横浜市、SAF用廃食油の回収本格化 スーパーにボックス常設
日本航空(JAL/JL、9201)と横浜市、ダイエー(東京・江東区)の3者は5月31日、家庭から出る廃食油の本格回収を始めると発表した。代替航空燃料「SAF(サフ、持続可能な航空燃料)」の原料に廃食油を活用する取り組みで、スーパー店舗に回収ボックスを常設する。JALと市の2者はSAF製造の連携協定を締結しており、官民一体で廃食用油の回収量拡大を目指す。 ダイエーが運営するイオンフードスタイル鴨居店(横浜・緑区)の店舗内に、6月5日から回収ボックスを常設し、家庭から出た廃食油を流し込んで回収する。回収時間は午前8時から午後11時までで、店舗の営業時間に準ずる。廃食油はペットボトルなどで持ち込むこともできるが、リサイクルできなくなるため、専用の回収ボトルの利用を推奨する。 回収対象となる廃油は植物性のもので、サラダ油やごま油、オリーブオイルなど、常温で液体のもの。マーガリンやショートニングなど常温で固形のものや灯油などの鉱物系、バターやラードなどの動物性、ラー油やネギ油など食品や香辛料が混ざったものは回収しない。また、飲食店から出る事業系廃油も対象外となる。 3者は鴨居店に回収ボックスを試験的に設置し、廃食油を回収してきた。今回、同店舗で持続的に回収できると判断し、常設を決めた。今後は横浜市内のイオンフードスタイル他店舗にも設置し、7月1日から三ツ境店(瀬谷区)で、同月22日から港南台店(港南区)でも始める。 廃食用油などを原料とするSAFは、現在使われている化石由来の航空燃料と比べ、CO2(二酸化炭素)排出量を大幅に削減できる。JALはANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)や日揮ホールディングス(1963)らと、有志団体「ACT FOR SKY(アクトフォースカイ)」を2022年3月2日に設立。国産SAFの導入・普及へ取り組んでいる。
Yusuke KOHASE