【9番街レトロ・京極風斗】最近流行っている「性格診断テスト」に思うこと…
神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動している芸人「9番街レトロ」の京極風斗(きょうごく・かざと)さんは、極端なほどに“0か100か”で生きている。自らをそのまま“100”で受け入れている京極さんが、巷ではプロフィール代わりに使われているという、16タイプに分ける性格診断テストをやってみたんだとか。気になるその結果は……? 【9番街レトロ・京極風斗】アルファベット4文字の性格診断。僕のタイプは…
9番街レトロ・京極風斗
連載【0か100かで生きてゆく #66】 ー 性格診断テスト ー
Illustration: Kazato Kyogoku
あなたを表す究極のラベル
アレ流行ってますよね。アルファベット4文字の性格診断。 去年、劇場の企画で診断した結果、16の性格タイプのうち、僕はENTPだったんですね。 今年、コンビのYouTubeで相方に代わりに答えてもらって診断する企画をやったんですが、それでもENTPでした。 なので、僕はまごうことなきENTPだということになるんですが、個人的には人間をたかだか16種類に分けようという試みそのものがアホらしいなと思うわけです。 人間ってのは本当に多種多様で、千差万別で、十人十色なんですね。 それが人類の良いところであり、悪いところなんですが。 同じENTPだから同じ考え方をしているかというと、絶対にそんなことはないわけです。 古くは血液型占いからそうなんですが、人間は、人間をグループ分けするのが本当に好きですよね。 人と同じだという安心感のためなのか、人と違うという優越感のためなのか、あるいは両方か。 目的は様々でしょうが、多くの人がなぜか、あの手この手で己をカテゴライズしたがりますよね。 この習性が争いを生んでいるというのに、ヨダレを垂らしながら自分が属するアルファベットを掲げるわけです。 とてもアホらしい。 「お前はお前」がなぜ受け入れられないのか。 「男は~」「女は~」「日本は~」「海外は~」「会社は~」「無職は~」 大きな主語は大きな共感を生みますが、半面、その反対のグループに属する方から大きな反感を買います。 残念なことにSNSではそれが飛び交っているんです。 きっと自分を認めさせる方法がそれ以外に思いつかない人間の切り札なんでしょう。 争いがなくならないわけです。 ザックリと分けられた何かに所属したとて、人が個である以上、本質的な安心はそこにはないじゃないですか。 あなたには名前があるでしょう。それこそがあなたを表す究極のラベルじゃないですか。 僕は「京極風斗」であり、属するのは「人間」です。その間を細かく分けることに意味があるとは思えない。 「みんな違ってみんな良い」 それでいいじゃないですか。 いやー。 実にENTPらしい意見でしたね。 連載『9番街レトロ・京極風斗の0か100かで生きてゆく』は第2・4水曜日に更新! ●PROFILE 京極風斗(きょうごく・かざと) 1995年8月9日生まれ。大阪府出身。吉本興業所属のお笑いコンビ。2019年4月1日に9番街レトロを結成。神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動中。 個人チャンネル「京極風斗の道楽ちゃんねる。」ではアートとインテリアを軸に、好きなことを配信。 コンビのYouTubeチャンネルでは日々の出来事やネタの動画を配信。 そのほか、絵が得意で自らデザインしたオリジナルグッズをSUZURIで販売している。 Instagram @kazato.kyogoku ----------- Text & Illustration: Kazato Kyogoku
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