モラハラ家庭の「俺の思い通りになって当たり前」という絶対ルールが、子どもを【人の顔色ばかり気にする人間】にしてしまう悲劇
夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。自分を大切にしてくれ、本当に優しい人だから結婚をしても幸せになれると信じていたのに、結婚した途端に優しい姿が全て嘘だったとわかり苦しんでいる女性がたくさんいます。 【データ】10人に1人が、配偶者からの繰り返しDVを受けている モラハラだとわかっていても、経済的理由や子どもの養育の問題、夫が治ってくれるかもしれないという期待から離婚を決断できない方がいます。「お前なんか離婚だ」というくせに実際に離婚を切り出すと拒否をされ調停や裁判にまで発展をする。モラハラの闇はとても深いものです。そんなモラハラについて長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。 今回は子どもを大切にしていなかったのに、いざ離婚だとなると突然「親権は自分だ」と言い出し、調停中は面会交流を毎週要求してきたWさんの夫についてのお話を描かせていただきます。
モラハラ夫は子どもが逆らうと豹変! 自分の言うことを聞くのが当たり前だと信じている
Wさんは結婚して徐々に夫がモラハラではないかと感じるようになったそうです。機嫌が悪いと烈火の如く怒りだし、数日間無視をする。自分が何をしたのか、どう対応をしていいのかわからなくて悩み、離婚も頭によぎったそうです。しかし、その時にはもう妊娠していたので、子どもが生まれたらきっと変わってくれると信じ離婚を選ばずにいたそうです。 5歳と4歳の2人の男の子がいるWさん。2人は本当に仲良しで時には喧嘩もしますが、それも2人のコミュニケーションになっていました。その日も子ども達はリビングで楽しそうにゲームをして遊んでいました。子ども達の笑い声に包まれ、Wさんも自然と笑顔になっていたそうです。でもその喜びも束の間でした。玄関の扉が開き、夫が「今帰った」と帰宅すると、一気に家中の空気が重くなるんだとか。 『私はこの頃には、夫が帰宅すると動悸が激しくなるようになっていました。夫は私のそんな様子なんてお構いなし、ふざけた笑顔を浮かべ、子どもたちに「お父さんも一緒に遊ぶよ」と言いました。でも子どもたちは「今2人で遊んでいるからお父さんは入れないよ」と返事をしたのです。すると夫の顔色は一変し、「お前らは全然可愛くない」と言い出し、「子どもなんて金がかかるだけだ! 育ててもらっている恩もないのか」と怒鳴りながらリビングを出て行きました。子ども達は無邪気に返事をしただけなのに、夫は自分の提案が通らなかったということで怒り出したのです。子どもたちはビクビクして、数分前の笑顔とは別の表情で涙を浮かべていました。私は「大丈夫よ」と子ども達を抱きしめることしかできませんでした』 モラハラ夫は会社でのストレスや不満を家庭に持ち込み、自分の思い通りにならないことがあると怒りを露わにします。Wさんの夫は、自分の都合の良い時だけ子どもと関わるのがいつものパターンでした。仕事で疲れている時や気分が良くない時には、子どもに優しく接することはほとんどありません。しかし、自分が遊びたい時や自分の話を聞かせたい時には、子どもが疲れていようが眠かろうが無理やり付き合わせるのです。 モラハラ夫の子どもへの愛情表現は、自分の都合のいい時、自分のやりたいこと、自分中心で子どもたちに接します。子どもたちへの愛情はペットを飼う時と同じ、自分に逆らうことや自分に対して尻尾を振らないと怒りに変わっていくのです。