ECBレーン理事、年内いっぱい景気抑制的な政策維持必要-報道
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン理事は、ECBは来月に利下げを開始する方向だが、2024年末までは景気抑制的に政策を維持する必要があるとの認識を示した。
レーン理事は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、「今年の議論を最もうまく枠に当てはめるなら、今年中は景気抑制的である必要があることだ」とした上で、「景気抑制的な範囲内であれば、いくらか下げることは可能だ」と語った。インタビューは27日に報じられた。
6月6日の次回政策委員会会合での動きについて問われた同理事は、「大きなサプライズがない限り、現時点では景気抑制的な領域の最も高い水準を変えるのに十分な材料があると考えられる」と答えた。
次回会合での金融緩和開始は広く予告されているが、その後のステップはさほど明確ではなく、市場は当局者が7月に金融緩和を見送り、9月に利下げを再開すると想定している。
利下げ休止はタカ派のECB政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行(中銀)総裁やシュナーベルECB理事の発言と整合的だが、大半のECB政策委員会メンバーはこの問題に言及していない。
レーン理事は「インフレ率が来年は目に見える形で目標に近づき、金利を目標に沿った水準に確実に引き下げることになるだろうが、これは別の議論だろう」と述べた。
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原題:ECB Will Need to Be Restrictive All Year Long, Lane Tells FT(抜粋)
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Jasmina Kuzmanovic