【失われた幼い命】園児置き去り事件…重度の熱中症で亡くなった3歳の娘「家族の主役を失って…」父親が明かす思いとは(every.しずおか特集)
家族の主役を失った喪失感
(河本千奈ちゃんの父親) 「難産で、妻が何時間も頑張ってくれて、はじめて姿を見たときは妻も私も感動して泣いていました」 初めての子どもが誕生し、お父さん、お母さんの生活も千奈ちゃんが中心のものに。日に日に大きく成長する千奈ちゃんのために、自宅も購入しました。 そして3歳になった千奈ちゃんは幼稚園に通い始めます。毎日笑顔で出かけ、幼稚園に行くのが大好きでした。 (河本千奈ちゃんの父親) 「落ち着きがないこともあったが、3歳で幼稚園に行き始めてからは、集団行動に慣れてきて、子どもって成長が早くてかわいいな、ずっと見ていたいと感じていた」
(河本千奈ちゃん) 「パパ~、助けて~。バイキンマンがクルクル回ってくる」 日常に溢れていた大好きな千奈ちゃんの笑顔。しかし、今はもう、ありません。 (河本千奈ちゃんの父親) 「千奈がいないこと、違和感しかないので、家族の主役がいなくなったことで、悲しみや怒りを背負って生きています」
園の不誠実な対応は続き…
耐えきれない感情の中、両親は、川崎幼稚園に廃園を求めました。しかし、そこでも園の不誠実な対応が続きます。 (河本千奈ちゃんの父親) 「私たちが話しているときに、前園長はずっと下を向いていたので、話を聞いていますかと声をかけたら『すいません、違うことを考えて聞いていませんでした』と。ふざけるなと。何もけじめをつけずに千奈が亡くなっただけ、それが許せないです。しっかりと責任を取ってもらいたい」 事件直後、川崎幼稚園を運営する榛原学園は、牧之原市に対し、指定管理を受けている「細江保育園」と「静波保育園」の運営辞退を申し出ていましたが、現在は一転、継続を主張。 事件からわずか1か月で再開した川崎幼稚園。日常が取り戻されつつある中、事件については何も変わらないまま…。
事件の風化への危機感と未来への願い
お父さんは「事件を風化させたくない」「千奈ちゃんのことを忘れて欲しくない」と、2023年3月から、SNSで園側の対応や園との面談内容などを発信し始めました。 (河本千奈ちゃんの父親) 「ぼくたちは子どもの命を、子どもの安全を守る環境が整えられなかった。実際は園が悪いかもしれないが、すごく後悔ばかりして過ごしているので、自分ごとと考えて、対策や子どもたちに教えられることを実践してほしい。被害者にも加害者にもならないでください、それだけです」 (静岡第一テレビ every.しずおか 2023年4月24日放送)
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