【失われた幼い命】園児置き去り事件…重度の熱中症で亡くなった3歳の娘「家族の主役を失って…」父親が明かす思いとは(every.しずおか特集)
2022年9月、静岡県牧之原市の認定こども園で、通園バスに3歳の河本千奈ちゃんが置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなりました。 【動画】“園児置き去り事件” なぜ娘が…父親が明かす胸の内「 いまだ現実を受け止められない」怒りと悲しみ【every.しずおか特集】 幼稚園の不誠実な対応への怒り、そして、風化への不安…千奈ちゃんのお父さんが、これまで明かさなかった思いを届けます。
幸せな日々は一転…悲劇へ
(河本千奈ちゃん) 「動いている。赤ちゃんが動いてる。見て」 生まれたばかりの妹にミルクをあげるのは、河本千奈ちゃん・当時3歳。 (河本千奈ちゃんの父親) 「この動画は2022年6月に二女が生まれてすぐに撮ったものです。すごく嬉しそうに二女の顔を覗き込みながら、しっかりとお姉さんをしてくれているような動画」 お姉ちゃんになって約3か月。まだ厳しい残暑が残る2022年9月、千奈ちゃんは、当時通っていた「川崎幼稚園」で、最高気温が30度を超える中、通園バスに約5時間取り残され、重度の熱中症で亡くなりました。
窓が閉め切られた車内は、想像を絶する暑さだったのでしょう…。持っていた水筒は空に…衣服も身に着けていない状態で発見されました。 (河本千奈ちゃんの父親) 「口元は乾いて、目は人形のように生気が感じられない状態でした。妻が整えた髪の毛の三つ編みも汗で湿って、額に髪の毛がくっついている状態でした」 警察の検証で、車内の温度は40度を超えていたとみられています。
園のずさんな管理で奪われた命
当日、バスを運転していたのは園長。まだ小さな子どもたちに細心の注意を払うべきはずが、事件後に開かれた会見では‥ (川崎幼稚園 増田立義 元園長) Q:バスを降りるとき後ろを見た? 「ドアの方は見ました。でも後ろ側は運転席からは見えないんですね」 Q:見えなかったの?見なかった? 「見なかったです」 さらに、会見の最後には… (川崎幼稚園 増田立義 元園長) 「僕がいなくなったら(園が)さらによくなるように」 (弁護士)「園を続けるかは決まっていない」 (川崎幼稚園 増田立義 元園長) 「そうか(笑)廃園になるかもしれないね」 事件からわずか2日…その一番の当事者でありながら、まさかの笑顔まで… この事件をめぐっては、増田立義元園長と元保育士ら、あわせて4人が、業務上過失致死の疑いで書類送検され、その後、静岡地検は、元園長と元担任の保育士の2人を在宅起訴しました。 園のずさんな管理により奪われた、わずか3歳の命。お父さんは、千奈ちゃんと過ごしたすべての時間が今も鮮明に残り、忘れることはできません。
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