新生活に不安がっている子どもに、親ができるたった一つのこと
どんな時でも、味方であることを伝えておくこと
以前三男は、保育園で遊んでいる最中に、お友達からお腹をたたかれてしまうということがありました。わざとではないのはわかっていても、泣けるくらい痛くて、それを言葉でお友達に伝えることができなくて。 先生も話を聞いて、対応して下さったのですが、どんな風に感じていたのか、念のためご家庭でも聞いてみてもらえますか?と、先生からお話があり、家でその時の様子を、そっと聞いてみたことがありました。 三男から出た言葉は、 「その子が怒るとこわいから、痛かったけど言えなかった」と。 言いたいけれど言えなかったもどかしさと、「思っていることは、その子に言えば良いよ」という大人からの声かけに、本人は、すごくストレスを感じてしまったのか、その日を境に、鼻をすするようなチック症状が1週間ほど続いたことがありました。 私自身も、そんな息子の様子を見て、自分の関わり方を反省し、その1週間、あえてそのことに触れることはせず、関係ない話をしていく中で、息子がパパからの言葉を聞いて、じわーっと涙が目に浮かんだ瞬間がありました。 それは、 「もしも、○○が、何か悪いことをしてしまったとしても、パパとママは、絶対に味方だ。だから、隠さずに、何でも言ったら良い。一緒に怒られたり、謝ったりもするし、もし何か嫌なことがあった時は、どんなことでも恥ずかしいことじゃない。パパとママは、心配するのも大事な仕事。心配出来ない方が悲しいよ。だから、一人で考えずに、口に出すのが大事だよ。 ○○が言葉にして伝えてくれたら、ママもパパも、一生懸命一緒にどうするかを考えるからね」 という言葉を聞いた瞬間でした。 横で聞いていた私は、あ、今、この子にこの言葉、すごく響いたな。と、確信したのを覚えています。
安全だからこそ、思いっきりチャレンジできる
何があっても味方でいてくれて、心配してくれて、大切に思ってくれている存在が、家に帰ってくればいる。 ほっとできる。 赤ちゃんの大好きな「いないいないばあ」と、感覚は似ているのかもしれません。 ママが目の前からいなくなる。 だけど、必ずばぁっとまた姿を現してくれる。 そんな頃から積み上げる、いつでもいてくれる存在との信頼関係の安心の感覚と、きっと、根本は同じで。 親にできることは、子どもの安全基地であり、絶対的な味方であること。 その信頼関係の土台ができることで、安心して、「僕、行ってくる」と、失敗を恐れずに、チャレンジできる子になっていくはずです。 ただ、親元から離れてチャレンジするときに、いつまでも親が手を離せずに、介入しすぎてしまっていたら……。 安心して一人でできる。チャレンジできる。 という経験をさせてあげることはできません。 時には、親は、安全基地にいて、そっと、見守ることも大事なはず。 もし失敗したら、帰ってきて、安心できる場所に。 成功したら、かえってきて一緒に喜べる環境に。 これを繰り返すからこそ、大人になったときに、自分はできる。やればできる。 失敗しても立ち直れる。 そんな風に育っていける、と思っています。 新生活の中で、良いことばかりだとは限らないし、きっと、子どもたちもたくさん疲れて家に帰ってくるはず。 子ども達だけではなく、大人だってそうですよね。 そんな時に、家族で安心して、リラックスして過ごすことができる。 そんな環境で、この春を迎えられるご家庭が増えますように。 【Profile】にこはな(@nicohana.ouchi) にこはな 1歳、5歳、6歳、9歳の4児の母。産婦人科/NICU/小児科で看護師として勤務。ダウン症のある次男を出産後に退職。現在は保育園や障がい者福祉施設、放課後デイなどをまわり支援する看護師として勤務する傍ら、モンテッソーリ教師資格取得に向け勉強中。ベビーマッサージ/ヨガレッチ教室講師。小児専門理学療法士の夫と共に、運動×モンテッソーリを取り入れた療育×健常児も交われるような施設を開く夢の実現のために活動中。