【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】春の画 SHUNGA 絵師や彫師の贅沢な技
日本が世界に誇るアート「浮世絵」。葛飾北斎、喜多川歌麿、歌川国貞といった天才絵師の切り取った日常は、絵画としても国宝だが、それを「浮世絵」という名の精巧な版画として量産しようと試みた江戸時代の人々のたくましい商魂が、新たなアートの扉を開いた。 【写真】仲間由紀恵さんと「TRICK」堤幸彦監督が再びタッグ 沖縄オールロケ映画「ステップ」2025年公開予定 浮世絵の制作は分業制で、編集者・絵師・彫師・摺(すり)師、それぞれが圧倒的に高い技術力を持って、とてつもなく細かく、地道な作業を繰り返していたことが、作品からも伝わる。 中でも「春画」は、その見事な技が惜しみなく施されている。というのも、贅沢(ぜいたく)禁止令が発令され、絵を描くにも絵の具の量を制限された江戸時代。裏取引されていた春画だけは、絵師、彫師、摺師が贅沢に技を施せる場だったのだとか。 日本独自の文化、風俗、美意識が生まれ、成熟した江戸時代の日本の集大成です。(桜坂劇場・下地久美子) ◇同劇場で上映中