張本智和「文字通りの完敗」世界1位王楚欽に0-4負け…V逃し脱帽「今の僕では返せない」「全ての面で相手が上」
「卓球・WTTファイナル」(24日、北九州市立総合体育館) 男子シングルス決勝が行われ、世界ランク7位でアジア選手権覇者の張本智和(21)=智和企画=が、大会連覇中で同1位の王楚欽(中国)と対戦し、0-4でストレート負けを喫した。6年ぶりの優勝には届かず、「文字通りの完敗。感想が難しいが、シンプルに全ての面で相手の方が上だった」と王者をたたえるしかなかった。 ホームの日本開催ながら、多くの中国ファンが詰めかけており「王楚欽!」と大合唱するアウェーの空気。第1ゲームから、いきなり10連続失点という悪い展開で先手を取られると、その後も主導権を握ることができず、打開策を見いだせないままストレートで押し切られた。 張本の生命線であるチキータをバックハンドで狙い撃たれ、ことごとく攻撃の芽を摘まれる展開に「あれほどのバックハンドが強い選手は見たことがない。あのボールを返されると、正直今の僕では返せない」と脱帽。「(28年夏の)ロス五輪までの3年間であれを返せるようにしたい」と誓った。 優勝こそ逃したが、今大会は1回戦で世界ランク5位の梁靖崑(中国)を撃破し、準々決勝は難敵の張禹珍(韓国)にストレート勝ち。準決勝は同2位の林詩棟(中国)との異次元のハイレベルな攻防を4-3で制し、決勝に進んできた。「昨日までの自信は自信として、今日の反省はたくさんしたい」と振り返り、夏のパリ五輪や日本勢50年ぶりの優勝を果たした10月のアジア選手権などを経た今年の国際大会を終え、「五輪でメダルが取れず、いい1年ではなかったが、卓球選手として、どんなときでも全力で取り組めたのは、大きく成長できた1年だったと思う」と自負を込めた。