「DHに9000万ドルは理想的ではない」燻り続ける“吉田正尚トレード放出”の可能性。米メディアは開幕前での移籍の予想も
今オフ、ボストン・レッドソックスの吉田正尚には、トレード移籍の噂が絶えず囁かれてきた。メジャー1年目となった昨季は、打率がリーグ上位の数字を残すなどバッティングは及第点とも言える結果を残したものの、外野守備が課題と指摘されており、さらに入団時に交わした5年総額9000万ドルという契約内容が、人件費削減を掲げる球団にとってネックになっているとも報じられた。 【PHOTO】侍ジャパンの4番はメジャーでも奮闘! レッドソックスで躍動する吉田正尚を厳選ショットで紹介 メジャー2シーズン目を前に、現在も他球団への移籍の可能性が燻り続けていることは、米国内メディアの反応を見ても明らかだ。2月7日、米スポーツサイト『Fan Sided』では、レッドソックスの中で開幕までにトレード放出が見込まれる4選手を紹介しており、吉田もそのうちの一人であると報じている。 その中で、同メディアは球団に対し「お金を使うことにまったく興味がないようだ。実際、レッドソックスは来季の年俸を低く見込んでいる」と現在のスタンスを説明しており、その上で、ケンリー・ジャンセン、クリス・マーティンの投手2名、野手では吉田とジャレン・デュランが「開幕前に移籍の可能性がある」と予想している。 同メディアは吉田について、「彼は昨オフ、ボストンの将来において大きな役割を果たすと思われる9000万ドルの5年契約を結んだが、『ジ・アスレチック』紙のジェン・マカフリーとケン・ローゼンタールによれば、チームは少なくとも今オフの早い段階でオファーに耳を傾けたと伝えられている」と米国内での情報を交え、トレード要員となっていると指摘。 さらに、打撃面は「堅実な数字を残した」と評しながらも、「守備は非常に悪く、109WRC+を記録し、140試合に出場したにもかかわらず、0.6fWARの価値しかなかった」など、各指標にも触れながら、貢献度が低かったと強調。 今後についても「ボストンのDHとして起用されることになるだろうが、1年目のシーズンをどのように終え、十分なレベルでプレーできなかったことを考えると、彼の大型契約はあまりいいものには見えない」と論じており、加えて「DHに9000万ドルを支払うのは理想的ではない」とも付け加えている。 同メディアは「ヨシダがどこかに行く可能性は低い」と前置きしながら、「ボストンが各球団の問い合わせに耳を傾けたことは、それが不可能ではないことを意味する」とも記している。 昨季終盤から一部球団首脳の解雇など、さまざまな動きが伝えられたレッドソックス。トレードの噂が途絶えない吉田のメジャー2年目は、波乱に満ちたシーズンとなる予感も漂わせている。 構成●THE DIGEST編集部