硬式でも軟式でもない「準硬式野球」とは? 21日に甲子園で大学の全国大会開催!注目点をチェック
野球が好きな人でも聞きなじみが薄いかもしれない「準硬式野球」。実は近年、大学を中心に盛り上がりを見せており、今月には甲子園(兵庫県西宮市)で全国大会も行われる。 【写真】「準硬式野球」軟式・硬式との決定的な違いの一つ 硬式や軟式とはいったい何が違うのか? どのような選手がプレーしているのか? 全日本大学準硬式野球連盟「甲子園プロジェクト」学生委員長の鈴置結希奈さん(大阪教育大学)に話を聞いた。 ◆大きな違いは「ボール」 バットは……? 準硬式野球で特徴的なのはボール。「ハイブリッドボール」と呼ばれ、中身は硬式のように芯があり、外側は軟式のようなゴムで覆われているという。 打球音は硬式に似たカーンといった響きながら、外側がゴムで摩擦抵抗が大きいため、外野フライや内野ゴロは若干失速しやすい傾向にあるそう。 ボールの使用感は選手によって違うとのことだが、軟式野球の経験者の中には、「硬式は難しいけど準硬式のボールならチャレンジできる」と感じる人もいるという。ちなみにバットに関しては木製でも金属製でも、好きな方を使ってよいそうだ。 ◆目指すは文武両道 全日本大学準硬式野球連盟の理念は「アマチュアスポーツの精神に則り学業との両立を目指す」こと。そのため、“野球漬け”の生活ではなく、各地区のリーグ戦や全国大会も学業のさまたげにならないように運営されている。 もちろん本気で野球だけを追いかける選手もいるが、医学部で国家資格を目指しながら野球を続けるなど、それぞれの目標を抱えながら頑張る選手が多いそう。また、なかには監督がいない大学もあるため、練習メニューを自分たちで考えたり会計も学生が担当したり、運営に必要な資格を取ったりと学生主体で取り組んでいることも大学準硬式野球の大きな魅力だという。 ◆11月21日に甲子園で全国大会を開催 そんな大学準硬式野球の全国大会が11月21日(木)に阪神甲子園球場で行われる。鈴置さんが学生委員長を務める「甲子園プロジェクト」は、この大会に向けた企画立案や運営を担当。もっと進化し、今まで以上に大学準硬式の魅力を多くの人に届けるため、クラウドファンディングを行うなどさまざまな活動を続けている。 開催当日は2試合が予定されている。『~三機サービス杯~全日本大学東西対抗日本一決定戦』(午前9時開始予定)は、全国から選ばれたメンバーが東日本と西日本に分かれて戦う。 一方、『第42回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会』 決勝(昼12時15分開始予定)は、長年行われてきた歴史ある大会の決勝戦。北海道・東北・関東・北信越・東海・関西・中国・四国・九州の9地区の選抜チームが今月16日からリーグ戦を行い、勝ちあがった2チームが甲子園で対決する。 ◆注目は東西の好投手 鈴置さんが注目選手として教えてくれたのは東西対抗戦の好投手2人。 東日本代表の松下未来(みらい)投手はMAX146キロの速球に加えて、50メートルを5秒8で駆け抜ける快足も注目。強豪校の県立岐阜商業出身で、高校時代は甲子園出場を果たしたがベンチ入りできずにスタンドで応援。大学準硬式で成長した一人だ。西日本代表の前村健斗投手は大阪の興国高校出身。中学時代は大阪の中学準硬式野球に所属し、高校時代は軟式野球部でプレー。大学準硬式ではパワーピッチャーとして活躍している。 この2人のほか、東西あわせて4人の医学部生が選出されるなど文武両道を体現している。 鈴置さんは「大学準硬式野球でしか味わえない日本一の舞台があることを多くの方に知ってもらいたいです。もっともっと大学準硬式野球が盛り上がることを目指していますので、みなさま21日は甲子園球場に足を運んで応援してください」と呼びかける。学生主体で取り組む大学準硬式野球をぜひ一度体感してほしい。 ■大会日程■ 日時:2024年11月21日(木) 9:00開始予定『~三機サービス杯~全日本大学東西対抗日本一決定戦』 12:15開始予定『第42回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会』決勝戦 会場:阪神甲子園球場 入場料:無料
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