最速150キロ左腕に急成長 立大田中優飛がデビュー 仙台育英出身「湯田より先に投げられた」
◇東京六大学野球春季リーグ戦 第5週第2日第2試合 明大6―2立大(2024年5月12日 神宮) 立大の最速150キロ左腕・田中優飛投手(1年・仙台育英)が明大戦でリーグ戦デビューを果たした。2―6の9回1死二塁から救援登板。先頭を142キロ直球で遊飛に仕留めると、次打者は143キロ直球で中飛に打ち取った。わずか2球で無失点に封じた。 「点差が開いた場面だったので特に難しいことを考えず、その場面を抑えようというだけの気持ちだった。やっぱり高校野球と違って、応援の迫力とか“やっぱり大学だ”というのがあった。その中でできることにワクワクしました」 たった2球だったが、高校時代より明らかに球威がアップしていた。仙台育英では制球力と安定感を武器にしていたが「(昨)秋のリーグ戦を見て、(最速が)140キロちょっとじゃ通用しないと思った。高校野球を引退してからはスピードを上げる練習をしてきて、ウエイトなどをしているうちに出力が上がった。少しずつ形になってきた」と成長。この春には自己最速を大きく更新する150キロをマークした。 仙台育英では同学年の高橋煌稀(早大)、湯田統真(明大)、仁田陽翔(立正大)とともに投手王国を築いた。既に高橋、仁田はリーグ戦デビューを果たしており「ネット記事を見ていたので、彼らに負けないように早くデビューしたいなと思っていました」と燃えていた。木村泰雄監督が「だいぶ練習にも慣れてきて力を発揮してくれるんじゃないかと思っていた。今日は投げる機会があった」と決断。第5週第2日でついに初登板の機会が訪れた。 あっという間に終わった初登板。思い浮かんだのはライバルであり、仲間たちの顔だった。「高橋はもう(東京六大学野球リーグ戦で)投げているんですけど、湯田がまだ投げていない中で自分が先に投げられた。少しは自信にしようかなと思います」と田中。高校に続き、大学での頂点を目指す一歩目を踏み出した。(柳内 遼平)