就職氷河期世代の親が中学受験を激化させている?「中学受験なんてしてもしなくてもいい」受験の専門家・にしむら先生が断言するワケ
子どもの中学受験について頭を悩ませている保護者の方は多いのでは。中学受験をしたほうが将来有利? 塾選び、偏差値、学校選びは? “にしむら先生”としてYouTubeでフォロワー数約9.5万人、受験指導専門家・西村創さんにお答えいただきました。第1回は、「子どもに中学受験はさせるべき?」というお悩みです。 【漫画で見る】現役開成校生・ぎん太が受験当日の君&パパママに伝えたいこと 取材・文:松井美緒
オンライン授業、大学入試の複雑化が中学受験人気に拍車
今、空前の中学受験ブームです。2023年春の首都圏の私立・国立中学校の受験者総数は52,600名、受験率は17.86%といずれも過去最多・最高となりました(首都圏模試センターの推定*)。首都圏の小学6年生のおよそ4.65人に1人が中学受験をしたことになります。 教育・受験指導専門家の西村創さんは、早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどでの25年以上にわたる指導歴に基づき、子どもの進路や勉強に不安を抱く保護者のために、日々情報発信をしています。現在、どの塾にも教育機関にも属していない、そのフラットな目線が多くの支持を集めています。
なぜこんなにも、中学受験は過熱しているのでしょうか? まずその根本的なところを、西村先生に聞きました。 「コロナ禍の影響がやはり大きかったですね。オンライン授業への対応が、公立と私立では大きく差が出てしまいました。公立中は、学校にデバイスがない、先生がパソコンに慣れていないなど、スムーズにオンラインに移行できなかったところが多くありました。それで私立中のメリットに保護者の方の目が向くようになったんですね」 大学入試の複雑化も要因の一つです。 「2020年度から始まった大学入試改革で、センター試験から大学入学共通テスト(共通テスト)に変わりました。2024年度には、共通テストに新教科の『情報』が加わり、7教科21科目となります。なんだか大学入試がどんどん得体の知れないものになる気がしちゃいますよね。であれば、大学の附属中学に入って、大学受験を避けたほうが安心。そう考える保護者の方が増えるのも、頷けます」 保護者自身の経験もある。 「私もそうなんですが、小学生のお子さんを持つ保護者の方が、就職氷河期世代なんです。自分が就職に苦労したので、子どもには早めに就職に有利な学歴の道筋をつけたい。それには、公立中よりも私立・国立中という選択です」 *首都圏模試センター 受験情報ブログ「2023年私立・国立中学受験者数は過去最多の52,600名、受験率も過去最高の17.86%に!《首都圏》」より引用。