ロッテ新外国人が走り打ちデビューも失笑と球団最悪タイの月間19敗目
最下位を低迷するロッテが31日、ZOZOマリンで行われた交流戦の阪神戦にWBCキューバ代表の新外国人、ロエル・サントス外野手(29)を途中出場で1軍デビューさせたが、2打数ノーヒットに終わった。カンフル剤とはならずにチームは、0-5の完封負け。3連敗したロッテは、1991年6月に並ぶ、球団ワーストタイとなる月間19敗目を喫した。ちなみにその1991年は、最下位に沈み監督の金田正一氏が解任され、後任監督には八木沢荘六氏が就任している。 もう背に腹は変えられない。 「上でも下でも同じような感じのバッティングだろう」と、打撃低迷に悩む伊東監督は、来日後、前日のファーム戦で1試合フル出場しただけのサントスをこの日、緊急昇格させた。 阪神の先発が左腕の能見だったためスタメン起用はしなかったが、0-3で迎えた5回の守備から荻野に代え、センターにサントスを投入した。最初の打席は、7回の先頭打者。 マウンドは、ベテラン左腕のままだったが、その初球にトレードマークとも言える打席の中で走りながら打つ異色打法を仕掛けたが、見送ってストライク。キューバで「バレリーナ」と呼ばれ、真似する子供たちもいるほど、注目を集めている打法に、空席が目立ったロッテ側スタンドから歓声が沸いた。 だが、2球目も「走り打ち」を試みたが、能見の変化球にバットは空を切り、歓声は失笑に。追い込まれて、走り打ちは止めたが、最後は能見のスライダーに、いったい何センチ開いているのかというほど、タイミングを外されてのスイングアウト。先頭打者として出塁することはできなかった。 第2打席は9回の先頭。阪神の3番手、マテオにピッチャー返しを試みたが、グラブを弾いた打球を前にポジショニングをしていたショートの北條にさばかれ、デビュー戦は2タコに終わった。 「1軍の試合ということで興奮したしモチベーションも上がった。勝利に貢献はできなかったが、出場できてよかった。走り打ちは、毎回、同じようにやるわけじゃない。私の武器はスピード。チャンスにつながる出塁をしたい。1打席、1打席、守備でも、チームの雰囲気を変えていくプレーを」 試合後、サントスは殊勝に話をした。 キューバは、ちょうどオフシーズンで丸1か月、自主トレ程度しかしてきていない。前日のファームの5打席を見たが、スイングはまだ鈍かった。彼が本調子をつかむまでには時間がかかるだろう。しかも1、2番タイプのバッターだけに低調打線の劇的なカンフル剤となることは難しい。キューバサイドからの売り込みに乗っただけの補強で、ここから交流戦をステップに反撃するためには、もう一人、本当の大砲の獲得が急務だろうが、フロントの動きは鈍い。 この日のゲームも、先発のチェンが二回に3安打を集中されて梅野の2点タイムリーを浴びるなど3失点してしまうと、もうチームに反発力は残っていなかった。