古里の復興「一丸で」 富山県の林氷見市長が退任、市役所で退任式
富山県の林正之氷見市長は8日、膵臓(すいぞう)がんの治療に専念するため退任した。志半ばになった能登半島地震からの復旧・復興や古里発展の願いを託し、100人を超える市民や市職員に見送られて市役所を後にした。 初当選や初登庁など節目で使ってきたイメージカラーという緑系のスーツを着用。退任式では災害が多い氷見の役に立ちたいと大学で土木を学んだことや7年7カ月の市政運営などを涙ながらに振り返った。 復旧・復興は県職員時代の経験も生かし、人生の総決算の思いで当たってきたとし、任期途中の退任を改めてわびた。今後の鍵となる液状化対策などに「新市長のリーダーシップの下、市民や市議会、市職員が一丸となって取り組んでほしい」と呼びかけた。「必ずや健康を取り戻し、一市民の立場で皆さんと市政課題に協力できるよう努力する」とあいさつした。 庁舎前で職員や被災地・北大町の住民から花束を受け取ると、「皆さん長い間ありがとうございました」と感謝の言葉を繰り返した。最後に大きく手を振り、公用車に乗り込んだ。