迫力の火縄銃演武 松本城で披露 長野県松本市
火縄銃の砲術を実演する「国宝松本城古式砲術演武」が20日、長野県松本市の国宝松本城二の丸御殿跡で開かれた。松本藩の古式砲術を伝承する市民有志でつくる松本城鉄砲隊が、甲冑(かっちゅう)姿で大小さまざまな火縄銃の撃ち方を披露し、約1500人の観客を楽しませた。 鉄砲隊12人が空砲で一斉に撃ったり、並んだ列の端から順番に撃ったりした。松本城の壁面に開けられた「狭間(さま)」からの射撃を想定し、木の板の間から火縄銃を放つ「盾構斉射」も披露された。 愛知県古銃研究会と静岡県の駿府古式炮術(ほうじゅつ)研究会も出演し、それぞれが熟練した火縄銃の打ち方を披露した。最後に松本を含む3隊合同の演武を行い、総勢36人がごう音を響かせた。 客席の前列で見た藤原功良(いさよし)さん(71)=安曇野市穂高柏原=は「初めて見るけれど、音が大きくて迫力があった」と話していた。 演武は毎年春と秋に開催しており、今回は5年ぶりに国宝松本城古城太鼓の演奏もあった。鉄砲隊の西堀恒司隊長(76)=松本市沢村1=は「松本城は鉄砲戦を想定して築城されたので、その歴史を伝えるイベントとして今後も続けていきたい」と話していた。
市民タイムス