2年目の夏、「見る阿呆」卒業しました 阿波おどり愛つのらせた新人記者
練習は今年5月まで検温、手指消毒をした上、全員マスク着用。練習は真冬でも汗をかき、息が上がる。マスクが息苦しかった。さらに、中学校の体育館は本番前の真夏でも騒音対策で閉め切り。休憩の度に換気をするが、室内はサウナのよう。じっとしていても汗が噴き出した。 ▽リーダーは生粋の踊る阿呆 練習はパートごとが基本。阿波おどり超初心者の私を指導してくれたのは、女法被のリーダー田中見那美さん(26)。文字通り、手取り足取り教えてもらった。 2019年の阿波おどりのポスターのモデルにも選ばれた田中さんは、昨年の4月から女法被のリーダーに。コロナ禍で練習に人が集まらず、フォーメーションを組むこともできない。マスクをしながらの練習で意思疎通にも苦労した。 それでも、田中さんにとって阿波おどりは「なくてはならない存在」だ。「見てるだけじゃ我慢できないよ、踊りたくなっちゃう」 ▽練習は大詰め
6月に入ると、だんだんと屋外で練習する連が現れ、遠くからぞめきの音が聞こえてくるようになった。私たち蜂須賀連も、週に2回の体育館での練習に加え、7月から屋外の公園などでの練習も追加。練習は週4日と大詰めを迎えた。 そして8月に入ると、街には赤と黄色のちょうちんが飾り付けられ、桟敷席の組み立ても始まる。いよいよ始まるんだなあとわくわくしてくる。 練習は、変に覚えてしまったのか、同じところで何度も間違え、意識しなければならない点をいくつも忘れ…とボロボロだ。「このままだと舞台の一部しか踊らせられんかもやけん、頑張って!」という田中さんの叱咤激励を受け気合を入れ直した。 ▽いざ、本番! 仕事のため初日は参加せず、13日、いよいよ本番。日中、屋内ホールの公演からスタートした。緞帳が上がると、ずらりと並んだ50人以上の私たち踊り手を見て、「おお」と会場がどよめいた。目の前の客席には大きなカメラを構えた人や大勢の「見る阿呆」。拍子木の甲高い音と「ヤットサー」のかけ声で舞台が始まった。