大人もかかる「手足口病」にアルコール消毒は効きにくい!去年の6倍ペースで感染拡大中
コクサッキーウイルスの場合、症状が治まったあと、手足の爪が剥がれたりすることもあるという。 一方、EV71は、死に至るリスクもある髄膜炎や脳炎などを引き起こす可能性がある危ないウイルスなのだ。 例年、真夏の7月末~8月に流行のピークを迎えるが、今年は5月ごろから感染者が急増。 「考えられる理由は3つ。まず、コロナ禍の約3年のステイホーム期間で、免疫力を高めることができなかった。そしてコロナ禍が終わり、感染対策が緩み、マスクをする人、手洗いをする回数も減ったこと。さらに今年は、5月ごろから25度を超える暑い日が続いたことなどが要因として挙げられます」 ■治っても“感染症ドミノ”で次々と病気になることが では、ウイルスに感染しないためにやるべき予防策は? 「アルコール消毒が効きにくいので、せっけんを使って20~30秒ぐらい時間をかけ、流水でしっかりと手洗いすることが大事です。 飛沫感染を防ぐためには、マスクの着用。 家族が感染したら、家庭内でのタオルの共用はやめる。できればペーパータオルにして、使用するたびに捨てる。 幼児が感染した場合の注意点は、オムツ替え。便にもウイルスが存在しているので、オムツ交換後は、とくにしっかり手洗いすることです」 「手足口病」には特効薬がなく、特別な治療法もないという。そのため高熱が出た場合などは、解熱剤を服用するといった対症療法が中心となる。 いずれにせよ、ちょっと意識がもうろうとしている、胸が痛い、呼吸が苦しいといった異変を感じたら、大人も子どもも、すぐに医療機関を受診することだ。 そして治った後も注意する必要がある。それは、いま流行している感染症は「手足口病」だけでないということ。 国立感染症研究所によると、手や足の壊死などを引き起こし、致死率の高いことで知られる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者数が、今年に入ってから977人となり、昨年1年間の患者数を超え、過去最多を更新(6月2日時点)。 「『感染性胃腸炎』などの感染症も流行しています。1週間程度で『手足口病』の症状が回復したといっても、免疫力や抵抗力が落ちています。そういうときに別の感染症に続けてかかる“感染症ドミノ”が起きる可能性もあります」 猛暑が予想されるこの夏は、感染症にはとくに警戒が必要だ。
「女性自身」2024年7月2日号