ホンダジェットで新サービス、移動困難地点結ぶ 車で機側へ、国内で法人向け陸空連携
本田技研工業(7267)は6月18日、小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」を活用した新サービス「HondaJetシェアサービス」を国内で始めたと発表した。公共交通機関での移動が困難な地点を小型ジェットで結び、陸上の車移動と合わせ、陸空連携の中長距離移動サービスを提供する。まずは法人向けのサービスとして始め、一般客への拡大も検討する。 【写真】HondaJetの客室 HondaJetシェアサービスは、ホンダが用意する「HondaJet Elite(エリート)」を活用。出発地から機側まで車で移動でき、空港のターミナル内を通過せずに搭乗できる。到着時は駐機場に待機する車で目的地へ向かう。既存の交通機関では移動が不便な区間で新サービスを活用することで、遠隔地への医師訪問やビジネスでの生産性向上、観光の効率化、移動に伴う負担軽減などを狙う。 ホンダによると、サービス提供地域は利用客の要望に応じ、HondaJetが離発着できる国内60前後の空港が対象だという。価格は移動距離に応じて設定し、利用を検討する法人に個別案内する。 HondaJetはホンダの米国子会社ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)が製造する小型ビジネスジェット機で、HACI前社長兼CEO(最高経営責任者)の藤野道格氏が設計。2015年12月に初納入し、今年1月31日に納入250機を達成した。 新サービスに投入するHondaJet Eliteは2018年に発表した最初の改良型で、航続距離を延ばし客室内の静粛性を高めた。2021年には最大離陸重量を200ポンド(約91kg)増やし、航続距離を最大120海里(約222km)延ばせるようになった「HondaJet Elite S(ホンダジェット・エリートS)」、最新型で自動化を進めた「HondaJet Elite II(ホンダジェット・エリートII)」は2022年10月18日に発表した。 いずれも最大定員は乗員2人と乗客6人または乗員1人と乗客7人で、パイロット1人でも運航できる。 2023年6月14日には、現行機よりも1つ上の「ライトジェット機」クラスとなる新型機「HondaJet Echelon(ホンダジェット・エシュロン)」の開発を発表。最大11人の乗客乗員が搭乗でき、パイロット1人でも運航できる仕様は踏襲する。
Yusuke KOHASE