「SHOGUN 将軍」劇中曲のアレンジを担当 那須町在住の音楽家が中学校へ講演
アメリカのテレビ界で最高の栄誉とされるエミー賞で今年、史上最多の18冠に輝いたハリウッドドラマ・「SHOGUN将軍」の楽曲アレンジを手がけた那須町在住の音楽家が27日に地元の中学校で講演し、挑戦することの重要さなどを訴えました。 那須町の那須中央中学校で講演したのは、電子音楽や日本最古の音楽と言われる「雅楽」の作曲などを専門にする音楽家・石田多朗さんです。石田さんは真田広之さんプロデュース・主演のハリウッドドラマ「SHOGUN将軍」の劇中のすべての曲のアレンジを担当しました。笙や篳篥といった雅楽独特の楽器の音色などを曲に吹きこんだことでドラマの世界観を作り上げ、受賞に大きく貢献しました。 石田さんは「立派な人生に見えているかもしれないけれど、スタートはそんなに良くなかった」と話しました。音楽の道を志した時は22歳で、楽譜を読めなかったところからスタートしたことや、10年ほど前雅楽の作曲を始めた時はお金にならなかったこと、音楽業界から見向きされなかったことなどさまざまな問題が重なり、心を病んでしまった過去を打ち明けました。 東京から妻の出身地の那須町に引っ越してきてから徐々に回復し、自分の好きな雅楽をやりたいと改めて思ったところに「SHOGUN 将軍」のドラマの中で使われる曲のアレンジの依頼が舞い込んできたということです。 「雅楽の作曲は誰も相手にしてくれないと感じていた。でも、地球の裏側のロサンゼルスの作曲家たちが3,4カ月も見てくれていた。だから誰かは見てくれていて、何かにつながるんだと思います」 そして人生での挑戦を「オセロ」に例え「1発目の白(オセロ)だけは自分で打たないと、ひっくり返すことも無いと思う。失敗しても取り返せるから。皆の年齢なら失敗しても全然良い。最初から何も白(オセロ)を置かない状態だと、ゲームすら始まらない」と話しました。 石田さんは、那須中央中学校の校歌の作曲も手掛けていて、最後は生徒およそ260人が感謝の気持ちを込めて校歌をプレゼントしました。 生徒たちは「自分の大好きな母校の校歌を作曲した人の話が聞けて、いい経験になりました」「最初の1歩をオセロの話に例えていたと思うが、しっかり一歩を進めていけるようにしたいと思った」などと話しました。
とちぎテレビ