祖父の相続で借金の存在が明らかになりました。両親はすでに亡くなっているのですが、孫である私も返済しなければならないのでしょうか?
まずは亡くなった人に借金があったか確認する
相続手続きの第一歩は、亡くなった方の財産を正確に把握することです。借金がある場合でも、プラスの財産と合わせて全体の状況を確認しなければ適切な判断は難しいでしょう。また、相続放棄や限定承認といった手続きは一度行うと取り消しができないため、慎重に財産調査を行わなければなりません。 まずは、故人の自宅や郵便物を整理し、ローン契約書や請求書など、借金に関連する書類を探します。次に、故人の通帳履歴を確認しましょう。過去の振り込みや引き落とし記録から、ローンや借金に関する情報を特定できる可能性もあります。 なお、信用情報機関に情報開示請求を行えば、金融機関からの借り入れ状況を調査することが可能です。不動産は、登記簿謄本を確認することで、担保が設定されているかどうかを把握できます。 また、故人の親族や知人に尋ねることで、個人的な借り入れの詳細を把握できる場合があります。これらの方法を組み合わせて、借金や財産の全体像を正確に把握することが大切です。 調査の結果、多額の借金が判明した場合は、相続放棄を検討するのも一つの方法です。ただし、借金があるからといって、財産が必ずマイナスになるわけではありません。 過払い金の請求によって財産がプラスに転じる場合や、債務控除によって相続税負担が軽減されるケースもあります。これらの可能性を考慮しながら、専門家に相談して正しい判断を行うことをおすすめします。
孫も相続人となれば借金の返済義務を負う
相続人となれば、孫であっても借金を含めた財産を引き継ぐ義務が発生する可能性があります。特に、亡くなった親がすでに他界している場合、孫は代襲相続人として財産と負債を引き継ぐことができます。 ただし、相続放棄を選べば負債を引き継ぐリスクを回避できますが、プラスの財産もすべて放棄する必要があります。そのため、相続の際には故人の財産を正確に把握したうえで適切な手続きを行うことが大切です。 財産の全体像を理解することで、相続放棄や限定承認などの適切な選択が可能になります。特に、複雑な財産状況や多額の負債がある場合には、専門家の助けを借りることで、より安心して対応できるでしょう。 出典 国税庁 相続税のあらまし 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部