曲がり角さしかかる花壇奉仕活動 高齢化に加入率低下…やりがいはたくさん「普段会わない人と交流」
京都府福知山市前田の府道沿いで、地元老人会による花壇を維持する活動が今年、35周年を迎えた。徒歩や手押し車などで老人会のメンバーが作業に集まり、花の苗を植え替えてまちの一角を色鮮やかに彩っている。 東佳屋野地区の老人会「和佳芽会」が1989年4月、「きれいな花を見て、地域の人に気持ちを和らげてほしい」との思いで始めた。道沿いの府有地22・8平方メートルを借り受け、「老佳園」として整備。春と秋の年2回に苗を植え替え、花の手入れを日々続けている。 同会のメンバー18人が11月27日、シャベルを使ってパンジー、ビオラ、アリッサムの苗を手際よく花壇に植え、周囲を清掃した。 長年、地域を華やかに彩ってきた活動も、新規会員の減少に伴い、曲がり角にさしかかっているという。60歳以上で加入できるが、メンバー44人のうち60代は1人のみ。同会は「働く高齢者の増加、地域活動への関心の薄まりなどで加入率が低下している」と推測する。 会長の日々野修三さん(82)は「花壇の整備は、普段会わない人と交流が持てる貴重な機会」と強調。初期から整備に関わってきた男性(86)は「こんなに長く続く活動になるとは思っていなかった。体が元気なうちは花壇をきれいに保ちたい」と力を込めた。