強行出場の大谷翔平、悲願の世界一へ 第5打席は勝ち越し機も打撃妨害、ベッツの犠飛で勝ち越し
<ワールドシリーズ:ヤンキース-ドジャース>◇第4戦◇29日(日本時間30日)◇ヤンキースタジアム 【写真】中飛に終わり、悔しそうな表情の大谷翔平 左肩の亜脱臼を抱えるドジャース大谷翔平投手(30)が、「1番DH」でスタメン出場。自身初のワールドシリーズ(WS)制覇に王手をかけている。 1回無死の第1打席、ヤンキースのエース右腕コールと対戦。初球の真ん中付近の直球を強振したが、バットの先で浅い中飛に終わった。 第2打席は0-4の3回2死一塁、2ストライクから外角のボール気味の直球に手を出し、力のない左飛に倒れた。 第3打席は0-5の5回1死満塁、カウント1-1から内角高めの98・3マイル(約158キロ)を空振りすると、1-2から低めに落ちる87・3マイル(約140キロ)のナックルカーブで空振り三振に倒れた。 第4打席は5-6の7回無死、カウント1-1から外角のナックルカーブをライナーで二遊間へはじき返したが、遊撃手ボルピの好守に阻まれた。 昨季サイ・ヤング賞のコールとの対戦は4打数無安打。25日(同26日)の第1戦でも3打数ノーヒット1三振に抑えられていた。 第5打席は6-6と同点に追い付いた直後の8回1死二、三塁、打撃妨害で出塁した。続くベッツの犠飛で勝ち越しに成功した。 大谷は第2戦で盗塁を試みた際に左肩を負傷。精密検査の結果は左肩の亜脱臼のみで、構造的な損傷は見られなかったが、痛み止めの服用やテーピングを施して強行出場している。 ◆亜脱臼 関節の位置にズレが生じ、脱臼しかかった状態。関節の可動域を超えた動作により、骨が関節から部分的に押し出されて発症する。痛みやしびれの症状が多い。骨が関節から完全に外れると脱臼になる。程度はさまざまで、阪神北條は18年に左肩を亜脱臼し、そのままシーズンを全休。21年には手術に踏み切るなど、再発を繰り返すケースがある。一方で、広島鈴木(現カブス)は16年8月に左肩亜脱臼を発症したが、プレーを続行してリーグ優勝に貢献した。一般的には、再発を防ぐために数週間は安静にする。