キャリアにおける「1番よくある後悔」をしないためにすべきこととは?
思い切って行動するのは勇気のいることですが、現状維持を続けていると、特に仕事においては時間が経てば経つほど後悔する可能性が高くなります。 Resume Nowが実施した最近の調査によると、労働者の3分の2が「キャリアに関して後悔がある」と回答しており、そのなかでも「行動しなかったこと」に関する後悔が第1位となっています。 同調査では、60%が昇給を求めなかったこと、59%がワークライフバランスを優先しなかったこと、40%が転職しなかったことを後悔しています。 「満足できない職務にとどまったり昇給を求めなかったりして安全策をとってきた人は、状況を改善しようと努め行動した人よりも後悔が大きいのです」と、Resume Nowのキャリア・エキスパートであるHeather O’Neill氏は語ります。 同調査によると、後悔はキャリアが進むにつれて増大し、退職に近づくと減少する傾向があります。Z世代の回答者の61%にキャリアに関する後悔があるのに対し、ミレニアル世代とX世代ではその割合は約70%に跳ね上がり、ベビーブーマー世代では52%に下がっています。 キャリアの真っ只中にいる人のほうが「良くない」決断にとらわれているようで、それに対して定年間近の人やすでに定年を迎えた人は自分の仕事人生について「済んだことは仕方ない」という態度をとっています。 そうO’Neill氏は話します。
選ばれざる道
このデータは、もっといい選択肢があるにもかかわらず安全な選択肢や慣れ親しんだ選択肢を選んでしまうという人間の本性に関する誤りを浮き彫りにしています。 人は変化のリスクを過大評価し、変化しないことのリスクを過小評価する傾向があるのです。 これはいわゆる 「現状維持バイアス」と呼ばれるもので、たとえ状況がよくないとしても現状を維持することを選んでしまうのです。このバイアスによって、未知の世界を恐れるあまり転職や人生の大きな変化を躊躇してしまうことがあるのです。 そうO’Neill氏は説明します。 キャリアに関する後悔の多くは、理想的とは言えない状況に安住しすぎた結果でもあり、変化に伴う一時的な不快感を忌避した結果でもあると、Corporate Escape Artistの創設者でキャリアコーチのCaroline Castrillon氏は指摘します。 さらにこう続けます。 変化を危険なものと解釈して抵抗するのは人間の傾向です。 人間として、またプロフェッショナルとして成長するためには、居心地のいい場所の外に出る必要があります。ですから、キャリアの成長にはある時点で不快感に立ち向かわなければならないのです。 Castrillon氏は、キャリアにおいて何もしないことがもたらすリスクはますます大きくなっているかもしれない、と付け加えています。 というのも、年金制度や継続勤務ボーナスなど、長期勤務に結びつくインセンティブが過去の世代に比べて少なくなっているからです。同時に、転職は昇給や昇進を確保するための最も効果的な方法であることが多いという研究もあります。 残念ながら、同じ会社に留まっても、2~3年ごとに転職する場合ほど経済的なメリットはありません。ですから、自問すべきは「行動を起こさないことで何をあきらめているか」ということです。 Castrillonはこう話します。