「案件出ました。1億です」強盗先で、日本刀に阻まれて撤収 ルフィ事件で「強盗未遂」…実行役の証言
●日本刀で応戦、奪われると脇差を抜いた被害者
夫が日本刀で応戦したのだ。 このとき強盗らと命懸けで格闘した夫に対しても証人尋問が行われた。別室から、当時の様子をこう証言する。 「子どものいる2階からものすごく大きな音がしたので何かと思いました。すぐに自分の部屋から出て妻の部屋に向かうと、部屋には男が2人いて、1人は白いお面を被っていた。妻が『刃物持ってるよ』と言ったので危険を感じました。 シルバーの10センチくらいの何か、物を持っているお面を被っていた男から『殺すぞ』と言われたので、家族を守らなければと思い、自分の部屋に急いで戻りました。タンスの中に日本刀があったのでそれを取り出しました。当時15本くらいは持ってたと思います」(夫の証言) 日本刀収集をしていた夫が、その一本を手に取り強盗に立ち向かおうとすると、強盗たちは夫の手元などを押さえ、刀を抜かせないように抵抗してきた。 「そのうち、犯人らが自分の刀を持って逃げていきましたので、すぐに私はもう一本、短いやつ……脇差を取りに行きました。脇差を抜いて、犯人を追いかけながらリビングに向かいましたが、もう犯人の姿は見えませんでした」(同)
●強盗の報酬は100万円以上だった
白いお面をかぶり、カッターナイフを持っていたとされるのがH被告人だったが、他の実行役らとすでに逃走していた。ひとりだけ、それを知らず、子どもを2階で見張っていた実行犯の男W(逮捕当時26)は、その後すぐに夫妻に確保され逮捕された。 岩国の事件は未遂に終わり、報酬はなかったが、直前に稲城市で起こした事件では100万円以上もの報酬を受け取り、借金返済やブラジルの母への送金などで費消している。事件後は、ブラジルに逃亡するつもりだったという。 岩国の事件では少なくとも、住宅の窓ガラスが割れなかったことから実行犯らが一度撤退している。防犯フィルムや防犯ガラスなど、窓への防犯対策は無駄ではないようだ。