「案件出ました。1億です」強盗先で、日本刀に阻まれて撤収 ルフィ事件で「強盗未遂」…実行役の証言
●「一目散に逃げて、運転手役が乗っている車まで戻りました」
被害者宅の窓ガラスが全く割れなかったのである。当時の様子を、同じく実行犯で懲役9年の判決が言い渡されているI(逮捕当時37)が証人出廷し証言した。 「家の前まで来て、徒歩でぐるっと外側を一周しました。とりあえず、焼き破りで窓を割って侵入できるところを探し、裏手に行って、すりガラスの部屋に目星をつけました。しかし、試してみましたが窓は割れず、作戦会議というか、指示役にも聞いたりしたのですが、どこからも入れず、別の掃き出し窓を割って侵入しようとしました。 私が持っていたバールで思いっきりフルスイングで窓ガラスを叩いたのですが、それでも割れず、かなり大きな音が出たので、一目散に逃げて、運転手役が乗っている車まで戻りました」(Iの証言) こうして計画は一旦白紙になり、改めて翌日に決行することに。 本来の計画は、実行役のうち2人が配達員を装って呼び鈴を鳴らし、家人がドアを開けたところで他の実行犯とともに押し入り、金のありかを聞き出して強奪するというものだった。が、実行役らが改めて岩国に到着した時点で夜の10時を回っていたため〈夜10時に配達がくるのはおかしいだろ〉と却下になり、ふたたび窓ガラスを割って侵入することになった。 しかし、やはり窓ガラスは割れない。 「家の周りをぐるっと回りましたが、入れそうなところがないので、前日と同じようにバールで窓を思いっきりフルスイングで叩いて入ろうと思いました。Kが焼き破りを担当し、とりあえずやってみましたが開かず、指示役のキムから『窓の四隅を叩いたほうがいいよ』と言われ、自分が叩いていたのですが、その最中、鍵がかかっていると思っていた窓の鍵が開いていることに気づき、皆で一旦車に戻りました」(同)
●被害者は日本刀で応戦
つまり窓ガラスは一向に割れなかったが、そもそも鍵が開いている窓を発見したことから、侵入に成功したのだった。 指示役からは“1億案件”と言われているため、実行役らは速やかに被害者宅に侵入し、在宅していた夫婦と子どもを制圧するためにそれぞれ部屋を移動した。2階にいた子どもの手首を縛り、実行役の一人が見張るなか、他の実行役が夫婦の制圧に動くが、ここでまた、強盗たちにとっての番狂せが起きた。