吉田正尚はマルチ安打 直近12試合で打率3割4分1厘のV字復活 チームは今季初の2桁貯金
◆米大リーグ レッドソックス12―6アスレチックス(9日、米マサチューセッツ州ボストン=フェンウェイパーク) レッドソックスの吉田正尚外野手は、「6番・DH」で先発。2回に中前適時打、4回に右越二塁打で今季8度目のマルチ安打を達成するなど、3打数2安打1打点1得点2四死球で、打率は2割5分9厘となった。コーラ監督は、采配900試合目で球団歴代単独4位となる490勝。チームはシーズン50勝(40敗)で今季初の2桁貯金となった。 一挙8得点の今季1イニング最多得点となった2回。吉田のバットも猛攻に加わった。6―2とリードし、なおも2死一、三塁。交代したばかりの2番手ファーガソンのスイーパーを逆方向へ。左翼寄りの中前打で走者を返した。今季40本目の安打で、20打点を刻むと、続くアブレイユが右翼へ3ラン。スミスもソロで続き、11―2とリードを広げた。 「遠征(ニューヨーク)も勝ち越して(本拠地に)戻ってきましたし、流れ、雰囲気も含めて皆、状態がいいと思います」と、吉田。チームの勢いが、そのまま序盤の攻撃に出た。 4回は7球粘った後に、低めのカットを捉え、右越二塁打。滑り込むことなく、悠々二塁を陥れた。「うまく拾って、ボールの下に(バットが)入った。取られるかなと思ったんですけど」。最近、予想以上に最後のひと伸びが出てきた飛距離。「練習からそういう打球を(心がけて)、きょうも練習でいい感じで振れていた。実戦でタイミングが合ってきた」と手応えを感じている。6回は、右のペスキーポールをわずかにそれるファウルで場内を沸かせた後で、四球を選び、8回は左足への死球と、4打席連続出塁となった。 驚異のV字復活だ。左親指の負傷で6月11日に負傷者リストから復帰して、最初の9試合は34打数4安打、打率1割1分8厘と低調だったが、6月24日から12試合で44打数15安打、打率3割4分1里と、本来の姿を取り戻した。吉田の復調と同調して、チームも勝利を重ね、6月14日の勝率5割から、3週間強で貯金「10」。2022年7月4日以来約2年ぶりとなる2桁貯金を達成した。 ビル・カリガン氏を抜き、球団史上単独4位となるレ軍で490勝となったコーラ監督は「素晴らしい選手、コーチ、スタッフに恵まれた」と感謝。ワイルドカード争い圏を手中に収め、「次のレベルに移る時が来た。我々はもっと欲張りに行く。そのドアはどんどん大きくなって、近づいている」と、地区優勝を焦点に合わせる。吉田も「やるからには、ということでしょう」と力を込めた。
報知新聞社