【65歳以上・無職夫婦】平均貯蓄額はいくら?年金月額とひと月の生活費は?年金だけで暮らせるのかデータで確認
日本では高齢化と長寿化が進み、多くの人が引退後の生活をより充実させたいと考えています。 ◆【棒グラフ】65歳以上の無職世帯の貯蓄額はいくら?グラフで見る 厚生労働省の統計によると、2023年時点での65歳の平均余命が男性で約19年、女性で約24年となっています。ここからも、65歳以降の老後の生活設計をすることの大切さが窺えます。 しかし、65歳以降は主に年金収入で生活することになるため、それまでの貯蓄と年金だけで生活が成り立つかどうか不安を抱く方も少なくありません。 今回は、65歳以上の無職夫婦世帯を対象に、平均的な貯蓄額と毎月の標準的な収支について、統計データを基に解説します。 貯蓄額や収支の金額は世帯によって異なるため、今回のデータはあくまで目安として捉えて、皆さまの老後生活の計画の指針にしていただければと思います。ぜひ参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
65歳以上無職夫婦世帯の平均値
まず、65歳以上の無職夫婦世帯について、平均貯蓄額、月の年金収入および生活費を確認します。 ●平均貯蓄額 総務省による2023年「家計調査報告」の結果によると、世帯主が65歳以上の無職夫婦世帯の平均貯蓄額は約2504万円となっています。 この貯蓄額には負債額は考慮されていないため、負債額を差し引いた純粋な資産はこれよりも低額になります。 ただし、同調査報告によると、60歳から69歳の夫婦世帯の平均負債額は201万円、70歳以降では78万円となっており、平均ではそこまで高額な負債がないことがわかります。 今回は、負債を考慮せずに平均貯蓄額である2504万円で検討をしてみましょう。 ●標準的な年金受給額 無職の高齢者夫婦にとって、主な収入となるものが年金収入です。 日本年金機構によると、2024年の夫婦2人分の標準的な老齢年金の支給額はおおよそ23万円となっています。 年金の受給額は、夫婦の働き方や報酬により異なりますが、今回はこの標準額を用いて検討をしていきます。 ●標準的なひと月の生活費 家計調査報告によると、食料費や交通費、光熱費などの生活を維持するための費用である消費支出が約25万1000円と、税金や健康保険料などの自分の意思で変動させることのできない非消費支出が3万1000円の、合計約28万2000円が平均的な支出額とされています。 ※家庭調査報告では、年金収入の他に「その他収入」として2万円ほどの収入があるとされていますが、今回の試算では年金収入のみで検討をしていきます。