藤井聡太竜王・名人、新将棋会館で初白星!「集中して良い状態で対局に臨むことできた」増田康宏八段に勝利し“八冠奪還ロード”一歩前進/将棋・叡王戦本戦T
伊藤匠叡王(22)への挑戦者を決める第10期叡王戦本戦トーナメント1回戦が1月8日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われ、藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が増田康宏八段(27)に111手で勝利した。この結果、藤井竜王・名人はベスト8に進出。次戦では木村一基九段(51)―戸辺誠七段(38)戦の勝者と対戦する。 【映像】新会館で初勝利を飾った藤井七冠の表情 藤井竜王・名人が、新設された東京・将棋会館で初白星を手にした。この日は、八冠返り咲きを狙う叡王戦本戦トーナメント1回戦で増田八段と激突。2月2日に開幕する棋王戦コナミグループ杯五番勝負での対戦も決まっている相手とあり、“前哨戦”となった本局に大きな注目が集まっていた。 振り駒の結果で藤井竜王・名人の先手となると、角換わり腰掛け銀の出だしに。後手の増田八段は前例の少ない形に工夫を見せ、藤井竜王・名人へとぶつけた。叡王奪還を目指す藤井竜王・名人も強気の応手を見せ、激戦へと発展。増田八段の揺さぶりにも動じず、受けに回って堅陣を築いた。増田八段は勝負所、中盤以降に持ち時間を大量に消費。切り合いを目指したが、主導権を握った藤井竜王・名人はじわじわとリードを広げていった。入玉を狙った後手だったが、若き王者は急がずじっくりと制圧。緩みのない指し回しを見せた藤井竜王・名人がしっかりと寄せ切り快勝を飾った。 藤井竜王・名人は、「早い段階から経験のない形となったが、形勢判断の難しい局面に対していろいろ考えていけたことは収穫になった。まだ挑戦を意識する段階ではないと思っているので、一局一局頑張っていきたい」とコメント。新たな年に新しい将棋会館で白星を手にしたことに対しては、「自分にとっては新年初の対局で久しぶりの公式戦対局でもあったが、一局を通して集中して指すことができた。対局室も綺麗になり、改めて良い対局室になったのかなと感じた。その中で自分自身も集中して良い状態で対局に臨むことができた」と印象を語った。 一方、敗退となった増田八段は「やってみたかった作戦はできたが、中盤以降難しい局面もあったかもしれないのでそのあたりは力不足を感じた」と一局を総括。棋王戦五番勝負に向けて、「もっと準備をして良い将棋を指したい」と意気込みを語っていた。 この結果、藤井竜王・名人の2回戦進出が決定。次戦では、木村九段―戸辺七段の勝者と対戦する。叡王戦の本戦トーナメントは、16人の棋士が参加。挑戦権獲得までは、あと3勝が必要となる。この本戦トーナメントは、東京の新将棋会館、または大阪府高槻市に新設された関西将棋会館で指される。 七冠を保持し棋界のトップに君臨する藤井竜王・名人は、叡王戦本戦のほか今週末の1月12日にはALSOK杯第74期王将戦七番勝負が開幕する。防衛4連覇を目指す本シリーズでは、永瀬拓矢九段(32)が挑戦者に。厳しい戦いが予想される中、叡王戦は“負ければ敗退”の本戦トーナメントとあり、より高い集中力が求められることとなりそうだ。新たな年に藤井竜王・名人はどのような戦いぶりを見せるのか、期待は高まるばかりだ。 (ABEMA/将棋チャンネルより)