政見放送「短縮考えず」地上波で放送、11時間20分超も 53人準備の都知事選 NHK
20日告示される東京都知事選(7月7日投開票)に向け、53人が立候補の準備を進めている。候補者数は過去最多だった令和2年前回選の22人を大幅に更新する見込みで、NHKの政見放送も単純計算では11時間20分を超える可能性がある。異例の「長尺」になるが、NHKは「立候補者数に応じた時間の短縮は考えていない」として、従来通り地上波で放送する構えだ。 【写真】「最近問い合わせが多い」という蓮舫氏のグラビア写真集(1989年発売) ■政見放送狙いの候補も 都知事選は17日時点で53人が立候補届け出書類などを選管が確認する「事前審査」を終え、立候補が濃厚となっている。政見放送を目的とする候補者も少なくない。 政治団体「NHKから国民を守る党」は「NHKの政見放送をジャックする」(立花孝志党首)として24人の大量擁立を目指し、17日時点で19人が事前審査を終えた。「カワイイ私の政見放送を見てね」というメッセージ性の強い党派の候補者も控えている。 政見放送は総務省の実施規程などで候補者1人当たり5分30秒の枠で計2回放送される。 ■「放送枠を調整する」 NHKによると2年の都知事選で政見放送に臨んだ候補者は20人で、放送時間は計4時間18分かかったという。53人に置き換えると、単純計算で11時間24分となる。 総務省の実施規程は候補者数が著しく多い場合、選管と協議の上で時間短縮を可能にしているが、NHK広報局は産経新聞の取材に「短縮は考えていない。候補者数と政見放送を収録する人の数を踏まえて放送枠を調整する」とコメントで回答した。「EテレやBSで政見放送を実施することは考えていない」という。 53人の年齢は31~96歳。職業は都知事や会社役員、公認会計士、AIエンジニア、インフルエンサーなどさまざま。党派も「核融合党」「覇王党」などが並ぶ。都知事選の候補者は平成24年の9人から毎回増え続け、26年は16人、28年は21人、令和2年は22人だった。(奥原慎平)