もしもに備えて“小学1年生”が訓練「こども110番の家」はどこにある? 広島市では4年間で400軒が減少
模擬体験で“顔の見える関係”築く
こうした中、「こども110番の家」の周知を強化しているのが広島市安佐南区の中筋小学校区だ。この春に入学した1年生が地域住民に付き添われて「こども110番の家」を訪問した。 「怖い人がついてきます」 「大丈夫よ。家の中に入ってちょっと待っておく?怖い人はどんな人だった?」 知らない家の敷地に入ることも、初対面の大人に話しかけることも、子どもにとっては勇気のいること。訓練を通して「こども110番の家」の場所を確認し、実際に助けを求める場面を模擬体験することで、住民と“顔の見える関係”を築くことにつながる。 一方、訓練によって住民も「子どもたちが困った時は助けたい」という気持ちが高まるようだ。 「雨が降ってきて傘を貸してほしかったり、喉がかわいたりしたらピンポンって押していいからね!」「傘はいっぱいある?」と明るく話す児童。地域とのつながりが希薄になっている現代だからこそ、ささいな声かけが子どもたちに安心感を与える。
犯罪が起きにくい環境づくり
「こども110番の家」を知ってもらおうと活動する地域住民には“自分たちも大人に守られてきた”という思いがある。 中筋地区 青少年健全育成連絡協議会・岡島弦士郎会長: 子どもたちが大人になるまで僕らが守っていかなきゃいけない。自分たちが守られてきて、大人になって、おじいさんになって…。今までどういうことをしてもらったか考えて、子どもたちが安全な社会をみんなで作っていけたらと思います。 また、地域の安全・安心なまちづくりの取り組みを支援する県の担当者はこう話す。 広島県 県民活動課・中村好宏課長: 犯罪が起きにくい環境づくりに資する「犯罪抑止効果」がある取り組みだと思っています。今後も引き続き地域の皆様、警察、教育関係者と連携して、どういったカタチがふさわしいか研究していく必要があると考えています。 長年続いてきた「こども110番の家」は全国的に減少傾向にある。未来あるこども達を犯罪から守るためには、助け合い、地域全体でこどもを見守る仕掛けを維持するとともに、小学校と地域コミュニティーがふれ合う場を行事として取り入れるなど、普段の関係づくりが大切だ。 (テレビ新広島)
テレビ新広島