【中山金杯】ホウオウビスケッツで乾杯を! 奥村武調教師のルーツと印象深いエピソード
[GⅢ中山金杯=2025年1月5日(日曜)中山競馬場、芝内2000メートル] 1976年7月生まれだから現在48歳の奥村武調教師。東京都内で競馬とは無縁の家庭で育てられた。 「ただ、父は馬券を買っていたので、自分も小さい頃からテレビで競馬中継を見ることはありました」 89年にはホーリックスとオグリキャップが競り合ったGⅠジャパンCをテレビ観戦し、翌90年には初めて競馬場で生観戦を楽しんだ。 「それが〝ナカノコール〟で有名なアイネスフウジンの勝った日本ダービーでした」 同年の暮れに〝奇跡の復活〟と称されたオグリキャップのラストラン・有馬記念を見ると「漠然と競馬の世界で働くのも良いかな……」と思うようになった。 実際に決断したのが私の記した本を読んだことだったというのはお恥ずかしい限りだが、そんな縁もあって、独身時代の彼とはしょっちゅう一緒に飲んだものだ。 ある時にはこんなことがあった。食事に行く約束をしていた日に、ある大手馬主クラブのパーティーが重なった。こちらの食事会は当然キャンセルになるものと思い、尋ねると、奥村武師は答えた。 「先に約束をしていたので、パーティーの方を断りましたよ」 この一件を境に、ますます強く応援しようと思ったものだ。 さて、そんな師が2025年最初のJRA重賞・中山金杯(GⅢ)に管理馬ホウオウビスケッツ(牡5)を送り込む。久しぶりに一緒に乾杯できる席が持てることを願いたい。(平松さとし)
東スポ競馬編集部